作ったお料理をテーブルに並べたときに、「あれ、なんだか茶色いな」「野菜がないな」「軽くもう1品ほしいな」……そんな風に思ったことはありませんか？　そのささやかな願い、スパイスがかなえてくれるかもしれません。今回は、手軽さを極めた「食材1つ×スパイス1種」の組み合わせでパッと作れるレシピを3つご紹介します。語り手は、スパイス料理研究家のこうしんりょーたろうさんです。

スパイスは、家庭料理とは無縁だと思い込んでいませんか？

凝ったエスニック料理に使うもの、はたまたプロの料理人が扱う高尚なものだと思い込んではいないでしょうか。

いいえ、そんなことはありません！　昨今のスパイスカレーブームに後押しされ、今ではスーパーや100円ショップでもさまざまな種類のスパイスが当たり前に買えるようになりました。

いきなり複数のスパイスを使いこなすのはハードルが高いですが、たったひとつスパイスを取り入れるだけでも料理の幅がぐーんと広がります。

スパイスの魅力を知り、家庭料理でもぜひ活用いただきたい！

……というわけで今回紹介させていただくのは、とっても簡単なのにやみつきになる3つのスパイスレシピ。

使う食材とスパイスは、なんとそれぞれひとつだけ。【食材×スパイス】の真剣3本勝負です！

【クミン×にんじん】にんじんのクミン炒め

にんじんを炒めただけなのに、クミンシードを使うとなぜこんなにもおいしくなるのか。みなさん、これはもう事件ですよ……！

ご飯のおかずにもおつまみにも最適という万能っぷり。にんじんの甘みとクミンの香りが最高にマッチして箸が止まりません。

【1】

にんじんを洗い、皮をむきます。皮をむいたにんじんは細切りにします。

【2】

にんにくの皮をむき、みじん切りにします。

【3】

フライパンに油をひき、クミンシードを入れ弱火にかけます。油にスパイスの香りを移すこの工程をテンパリングといいます。焦がすと苦みがでるので慎重に！

【4】

クミンシードから細かい気泡が出てきたら、みじん切りにしたにんにくを加えます。

【5】

にんにくの香りが立ってきたら、にんじんを加え炒めます。にんじんがしんなりしてきたら塩を加え、さらに炒めます。

【6】

器に盛り付け、お好みでレモンをしぼります。食べるときには、キンキンに冷えたビールを忘れずに！

【マスタード×パプリカ】パプリカのマスタードマリネ

次は「オシャレ飯」、いっちゃいましょう。目にも鮮やかなパプリカをマリネにしました。

隠し味にはマスタード。瑞々しいパプリカとマスタードの風味がくせになる逸品です。

【1】

パプリカを細切りにします。

【2】

細切りにしたパプリカをボールに入れ、塩もみします。10分間置いたのち、水気をきります。

【3】

酢、砂糖、マスタードを加え、混ぜます。

【4】

冷蔵庫でひと晩寝かせます。器に盛り付け、お好みでパセリをどうぞ。

【シナモン×さつまいも】ハニーシナモンおさつ

お待たせしました！　最後はスイーツです。

カリっと揚げ焼きにしたさつまいもにバターとはちみつ。そしてアクセントにシナモンをひとふり。

溶けたバターとはちみつが濃厚に絡み、シナモンの上品な香りとお芋のほくほくとした優しい甘みがたまりません。お子さんのおやつにもぴったりです。

【1】

さつまいもを洗い、拍子木切りにします。切ったさつまいもを10分程水にさらします。

【2】

水気を切って、ボールに移し片栗粉とあえます。

【3】

フライパンに油をひき、さつまいもの表面がカリカリになるまで揚げ焼きにします。

【4】

器に盛り付け、バターを乗せ、はちみつ、シナモンをかけましょう。バターとはちみつはお好きなだけ！　カロリーは気にせず、今日だけはたっぷりどうぞ。

最後に

【食材×スパイス】の真剣3本勝負、いかがでしたでしょうか。

どれも簡単で食材の味とスパイスの風味を楽しめるレシピになっています。

特にクミン炒めは、にんじんに限らず、えのきやじゃがいもなど別の食材を使用してもとてもおいしくいただけますのでおすすめです。

ぜひお試しあれ！

文・写真：こうしんりょーたろう

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