見出し画像

休眠スパイスを呼び覚ませ!余ったスパイス&ハーブを使い切る「ハーブと野菜のオイル蒸しプレート」

皆さんの家の台所に、買ったきり使い切れていないスパイスやハーブはありませんか? クッキーを作るために買ったシナモン、スパイスカレー作りにハマった頃に揃えたクミンやコリアンダー、ちょっとお洒落な料理に目覚めて手を出したバジルやパセリ……今はゆっくり料理をする時間がなくて、棚にしまいっぱなしという方も少なくないのでは。

そこで今回は、料理研究家の阿部由希奈さんに、眠らせているスパイス&ハーブをしっかりと消費できるレシピを3つ教えていただきました。さらに、スパイス&ハーブを使う習慣をつけるコツも紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

料理研究家・kitchen and CURRY主宰
阿部由希奈さん

会社員時代に出会ったスパイスカレーに魅了され、“流しのカレー屋”としてさまざまな場所でオリジナリティが光るスパイスカレーを発信。2018年、世田谷区羽根木に初の拠点「Kitchen and CURRY(キッチンアンドカリー)」を開設。旬の野菜を使った体にやさしいスパイスカレーにファンが多い。レシピ本『スパイスでおいしくなる and CURRYのカレーレッスン』、『and CURRYの 野菜が主役 季節のカレー』も発売中。
・Instagram https://www.instagram.com/yukinaa.m/

使わずに置いたままのスパイス、どうしたら消費できる?

台所で眠りについてしまっている休眠スパイスたち。買った時には使い道がはっきりしていたのに、その後は使いどきを見失いがちです。そんなスパイスたちを目覚めさせるには、どうしたらいいのでしょうか?

阿部さん:スパイスはたいていの場合、一度にほんの少量しか使いませんよね。ひと瓶をきれいに使い切るためには、使う「量」以上に「頻度」を上げるのがいいでしょう。ポイントは、大きく3つあります。

1. まずは棚や引き出しから出して、調理中でも目に入る場所に並べる

小さな瓶や袋は、つい小さい箱に入れてまとめたり引き出しにしまったりと、収納してしまいがち。消費するためには、まず「我が家にはスパイスがある!」ということを常に思い出せる状態にします。

2. 手元にあるスパイス&ハーブをそのまま舐めて、味や香りを感じてみる

スパイスやハーブごとの個性を、自分の感覚で把握することが、次のステップで役立ちます。「自分の感覚で」というのは、味覚や嗅覚にも個人差があるから。 例えば私の場合、クミンの風味が紫蘇に似ている香りなので、和食にも使えるなと頭にインプットしておいたりします。

3. 普段の調理中、特に下準備や仕上げの時に思い切って使ってみる

味や香りの個性を自分なりに把握したら、いつもの調理中にも「あ、ここであのスパイスが使えるかも!」という直感が働くようになってきます。

少量を加える程度であれば、万が一料理に合わないスパイスだったとしても、味を台無しにしてしまうような失敗にはなりにくいので恐れずにトライしてみてください。2と3を繰り返しながら、直感を磨いていきましょう。


「ハーブと野菜のオイル蒸し」の作り方

今回、阿部さんが教えてくれるのは、余っているスパイス&ハーブだけでなく、迫る消費期限に怯える野菜まで救ってくれる嬉しいレシピ! 早速見ていきましょう。

<材料> 2~3人分
さつまいも……1/2本
なす……2本
ほうれん草……3株
にんじん…………1/2本
ぶなしめじ……1パック
プチトマト……適量
旬の香り 輪切り唐辛子……ひとつまみ
S&B バジル……小さじ1〜お好み
S&B パセリ……小さじ1〜お好み
S&B オレガノ……小さじ1〜お好み
S&B タイム……小さじ1〜お好み
オリーブオイル……大さじ2
にんにく……1片
塩……小さじs

阿部さん:我が家の定番メニューで、幼い娘ももりもりと野菜を食べてくれる、とっておきのレシピです。今回はこの材料で作り方をご紹介しますが、具材もスパイス&ハーブも、これじゃないといけないという決まりはありません! お鍋いっぱいに好きなものを入れて、自分の直感でスパイス&ハーブを加えて、お気に入りの組み合わせを見つけてみてくださいね。

【1】

下ごしらえ。野菜をすべて一口大にカットします。

阿部さん:形やサイズは厳密に揃えなくても大丈夫。ただし、煮崩れしやすいおいもなどは気持ち大きめに。逆に、火が芯まで通るのに時間がかかるにんじんなどは、少し小さめに切っておくと安心です。

【2】

にんにくを包丁の腹で軽く潰し、皮を剥きます。

阿部さん:皮は潰す前に剥いてもいいですが、先に潰した方が簡単に剥けるのでおすすめですよ。

鍋に野菜とオリーブオイルを入れ、唐辛子、にんにく、1でカットした野菜、塩を全て入れて蓋をし、中火にかける。

【3】

10分ほど経ったら蓋を開け、全体を混ぜ合わせる。ハーブ類を加えて蓋をし、さらに3分ほど火にかけて出来上がり。

阿部さん:野菜の端が鍋に焦げ付きそうだったら、蓋を開けた時に火を弱めてくださいね。

トマトやサツマイモのほっこりする色に、ハーブの緑が入って見た目にもおしゃれな一品になりました。

お皿に一緒に乗っているのは、「蒸し鶏のスパイスソース和え」と「クミンライス」。今回は特別に、この2つのレシピも教えていただきました!

「蒸し鶏のスパイスソース和え」の材料と作り方

<材料> 2人分
鶏もも肉……2枚
にんにく……1片
スライスしょうが……2枚
塩……小さじ2
砂糖……小さじ2
水……700ml
酒……100ml

(スパイスソース)
コリアンダーシード(ホール)……大さじ2
塩……小さじ1
エクストラバージンオリーブオイル……大さじ2
白ワインビネガー……大さじ2

1. 鶏もも肉の筋や黄色い脂の部分を取り除く。フォークで数カ所穴を開け、塩と砂糖をまぶし15分ほど置いた後、一度水洗いする。

2. にんにく、スライスしょうが、鶏もも肉を鍋に入れ、ひたひたの水(700mlほど)と酒を注ぎ、火にかける。沸騰したら火を止め、蓋をして40分放置する。

3. ソース作り。フライパンでコリアンダーシードを炒り、すり鉢などで粗めに潰しておく。

4. エクストラバージンオリーブオイルと塩、3で潰したコリアンダーシード、白ワインビネガーを混ぜ合わせる。

5. 鍋から鶏肉を取り出し、食べやすい大きさに切る。4のソースをかけて出来上がり。 

「クミンライス」の材料と作り方

<材料>
米……3合
S&B クミンシード……小さじ1

米を研いで水を入れた後、クミンシードを加えて混ぜて炊飯器で炊く。

このワンプレートで、6種類ものスパイス&ハーブ(計:大さじ約3杯分)を使いました。食べてみると、ぎゅっと凝縮された野菜の甘さや鶏のだしがしっかりと感じられて、すっごくおいしい……! スパイス&ハーブの風味も見事に混ざり合って、複雑だけど心地よい香りが口いっぱいに広がります。使っているのはなじみのある食材ばかりなのに、まるで食べたことのない一皿になりました。


スパイスやハーブを料理に使うチャンスって、意外とたくさん転がっているのかもしれません。使い方がわからないという方は、阿部さんが教えてくれた3つのポイントをぜひ実践してみてくださいね!

レシピ・監修:阿部由希奈/撮影:大崎あゆみ


◎献立に迷ったら… →エスビー食品レシピサイト
◎スパイス&ハーブを中心とした各種情報をお届け! →エスビー食品公式facebook
◎レシピ、商品・イベント・キャンペーン情報などをつぶやいています →エスビー食品公式twitter

〈知ってる?スパイスとハーブのこと〉
お読みいただきありがとうございました。「スキ!」をしていただくと、スパイスやハーブの豆知識が表示されるようになりました。気に入っていただけたら、「スキ!」をお願いします▼


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!