「長芋と胸肉の花椒炒め」ちゅるホク、ビリリ。旨味が濃い!お箸が止まらなくなる絶品料理が出来ました。#旬とスパイス
食べた時に、思わず目を見開いてしまう美味しさに味見が止まりません! 長芋の新しい定番料理の誕生です。
長芋のぬめりが胸肉を優しく包み、ちゅるりとした食感に。片栗粉なしでも天然のとろみをつけてくれます。
そしてなんと言っても、最後に刺激的な花椒の香りが鼻を抜け、カリカリっとした食感も気持ちいい!
今が旬の食材の長芋。山かけの粘りや、火を通すとほっくりした食感が魅力的ですよね。長芋は疲れた時によく買う食材。特に冬は、スープの仕上げに入れると心も体もほっとさせてくれるんです。真っ白な見た目も、清らかな気持ちにしてくれます。
今回のお料理はその長芋の白さを活かしたいと思い、胸肉と合わせることに。長芋の味は淡白なので、鶏の旨味も引き立ちます。そして、合わせるのはちょっと強いスパイスにしよう、それでいて長芋の白さや食感を引き立てるもの…と、考えた時に真っ先に浮かんだのが「花椒」です。
「花椒」は四川料理には欠かせないスパイス。辛味よりは「しびれ」を感じさせる唯一無二の存在です。私はこの花椒が大好き! ビリビリとした刺激はクセになります。特にホールのものは、食感も魅力。潰したり刻んだりして使うと、カリッと噛んだ瞬間に爽やかな香りが弾けてたまりません。
特別な調味料を使わなくても、この「花椒」に上品な味わいの長芋と旨味たっぷりの胸肉を合わせることで本格的な中華の炒め物に仕上げます。
花椒小さじ1/2を刻んでおくか、すり鉢で潰し、小皿に移します。
鶏肉の皮をはぎ、横に4等分に切り棒状にします。その次に繊維を断ち切るように、1〜2cmの厚さで斜めに削ぎ切りします。要は、一口大になれば大丈夫です!
切った鶏肉に、塩小さじ1/2と日本酒小さじ1を混ぜておきます。
長葱をみじん切りにして、サラダ油大さじ1と一緒に弱火でじくじくと焦げないように熱します。
ここで手が痒くなってしまう方はビニール手袋をつけましょう。
長芋の皮を剥き、長さ5cm程度の短冊切りにします。
長芋を切ったら、花椒と一緒にフライパンに入れ、葱油と和えるように弱めの中火で炒めます。
長芋に少し透明感が出てきたら、フライパンの端に寄せ、空いたスペースに鶏肉を入れます。火は少し弱めの中火のまま。ヘラからお箸に切り替え、鶏肉の表面がうっすら白くなるように両面裏返します。
ここでは、炒めるという作業よりは、鶏肉を丁寧に一つずつ、さっと焼くイメージで。しっかり火を通す必要はありません。ピンク色がかっていて大丈夫です。
鶏肉の表面の色が白っぽく変わったら、長芋と炒めます。ここでも弱めの中火のままで。
長芋のねっちりとした粘りを鶏肉にまとわせるように、ゆっくり炒めていきましょう。
鶏肉はうっすらピンクがかっていますがこの程度まで炒めることが出来たら大丈夫です。
火を止めて、蓋をして3分ほど蒸らします。ここの余熱で鶏肉に火を通しましょう。
器によそって出来上がり! 美しい仕上がりでしょう?
食べてみると、長芋はつるりんほっくり。最後に花椒がふわっと香ります。そして強いコクと味に驚きます!
花椒の量もほどよいので、ビリビリとした刺激もアクセントに。子供もこの程度の花椒の量なら「美味しい!」と取り合いになっていました。
そして胸肉はしっとりみずみずしい! パサつきなどまるで感じません。表面もちゅるちゅる。まるで旨味の膜でコーティングされたようです。胸肉のエキスを長芋の粘りで閉じ込めたおかげです。1番最初に弱火で炒めた長葱の香りも相まって本格中華料理の味わいに。
全ての素材が、最大限に魅力を放ち、一つの料理に昇華されています。
まるでレストラン中華で出てきそうな、上品な炒め物です。中華料理の調理のイメージであるような、フライパンを強火であおったりしなくて大丈夫。むしろ、弱めの火でゆっくり作るくらいでちょうど良いですよ。
旬の長芋を花椒と力を合わせて、ちょっと素敵な炒め物に。毎日の食卓のご馳走にぴったりです。