*スパイス meets ちくわぶ* 未知との遭遇
鍋物のおいしい季節です!
ひんぱんに鍋物をする一方で、残ってしまった具を持て余すことはありませんか?
そこで今回は、お鍋で余ってしまったちくわぶを、スパイスでおいしくアレンジするレシピをご紹介します!
………………あっ、今「ちょっと待って」って思いましたか?
「ちくわぶって何?」とか「名前は知ってるけど食べたことはない」とか思われましたか?
それとも「ちくわじゃないの?」でしょうか。
ちくわぶは関東を中心に親しまれてきたローカルフード。
最近では各地に流通するようになりましたし、何より手軽で、色々とアレンジできて、スパイスとの相性も抜群なんだそうです。
お話とレシピ開発は、日本で、いや世界で唯一のちくわぶ料理研究家の丸山晶代さんです!
「ちくわぶ」って何ですか?
――いきなり初歩的な質問なのですが、ちくわぶって何なんでしょう。
ご存知ない方も多いので、改めて教えていただけますか。
丸山さん:
よくちくわと間違えられますが、ちくわぶは小麦粉がメインの、ちくわとは全く別の食べ物です。材料は小麦粉とお水、あとメーカーによっては塩が入ります。
うどんやすいとんに近く、途中まで製造工程は一緒です。
白くてギザギザで、穴の空いた棒状をしています。
関東近郊でのみ食べられていて、関東でもおでんでしか食べないという方が多いという、色々な意味でニッチな食材です。
――確かに、ちくわぶはおでんやお鍋でしか食べない印象です。
丸山さんが最初にちくわぶを意識したのはいつ頃だったんですか?
丸山さん:
意識したというか、生まれ育ったのが東京の下町で、小さな頃から当たり前に食べていたんです。煮物などにも入ってましたし、近所の駄菓子屋さんや屋台でおでんが食べられるような環境で育っていたんです。
それがちょうど10年前、友達数人とおでんの話をしていたら、ちくわぶを知らない人がいたんです。
その時にちくわぶは東京近郊でしか食べられていないことを知り、ちくわぶは全国区だと思っていたので、すごくショックでした。
しかも、ちくわぶを知っている人もおでんくらいでしか食べたことがなかったんです。
煮物などに入れるとおいしくて、私は大好きなものが、周囲はそうではなかった。ダブルショックだったんです。
――当たり前だと思っていたものが当たり前じゃなかった、大事件だったんですね。
丸山さん:
その場にいた友達の1人がカフェを経営していて、定期的に仲間うちの食べ物イベントを開催していたんです。
私はもともと料理が好きだったこともあり、「じゃあ私ちくわぶでフルコースを作るわ」って言ったんです。
ちくわぶで前菜からデザートまで作る「ちくわぶナイト」を開催し、その時から「ちくわぶ料理研究家」を名乗るようになりました。
ビギナーにこそ試してほしい、ちくわぶアレンジ
――そうしてちくわぶ料理研究家としての活動を始めた丸山さん。
これまでに開発したレシピは500を超えるとのことですが、ちくわぶのことをよく知らない人でも試しやすいのはどんなメニューでしょうか?
丸山さん:
全般的にパスタの代わりにするのはオススメです。
パスタもちくわぶも同じ小麦粉ですから。
乾麺のパスタは茹で時間がそれなりにかかりますが、ちくわぶは1度火が通っているものなのですぐに柔らかくなります。
沸騰したお湯に入れたら1分くらいで浮かんできますし、輪切りにしたちくわぶとお水を耐熱容器に入れて5分電子レンジで加熱してもいいです。
それに市販のパスタソースを絡めたり、ナポリタンにしたりすると食べやすいです。
――なるほど!私たちエスビー食品にもパスタソースは色々あるので、ちくわぶと一緒にストックしておけば手軽に楽しめそうです。
丸山さん:
輪切りにしたちくわぶは形もかわいいですし、もちもちした食感も好まれるので、パスタ代わりはすごくおすすめです!
スパイスを使った、ちくわぶアレンジレシピ
――それでは、今回のレシピについて教えていただけますか?
丸山さん:
依頼のお話を聞いて、ちくわぶをよく知らない方でも「それなら作れそう」と想像できるものにしようと思いました。
レシピはミネストローネとタルトタタンです。
ミネストローネは、ショートパスタやマカロニの代わりにちくわぶを使います。
野菜がたっぷり摂れますし、ちくわぶのおかげでお腹にたまります。
定番レシピをベースに、エスビー食品の赤缶カレー粉で味を引き締めました。
ボリューム感あるスープなので、もう一品はスイーツにしました。
ちくわぶスイーツは、意外性があって受けがいいんです。
簡単にでき、旬のものを使った温かいスイーツにしたいと思い、りんごを使ったタルトタタンを考案しました。
レンジでできる!ちくわぶ入りスパイシーミネストローネ
お休みの日のブランチをイメージした、野菜がたっぷり摂れてボリューム満点のレシピです。
野菜の甘み、旨みもありながらカレー粉で味が引き締まります。
冷蔵庫にある野菜を色々入れてお楽しみください。
作り方
【1】
ちくわぶを5mmくらいの輪切りにし、しめじは根元の部分だけ切り落としてほぐします。
キャベツはざく切りに、玉ねぎ、人参、ベーコンは粗みじんに切ります。
【2】
ちくわぶがなるべく底の方になるようにして、材料と調味料をすべて耐熱容器に入れ、軽くかき混ぜます。
ラップをせずに電子レンジ(600W)で12分加熱します。
【3】
お皿に盛り付けて、粉チーズ、パセリを振ります。
簡単♪ちくわぶタルトタタン
本来はりんごを型に敷き詰めて生地を作り、オーブンで焼きますが、ちくわぶで簡単に作れるように考案しました。10分程度ででき上がります。
冷めるとちくわぶが固くなるので、温かいうちに食べるのがおすすめです。
甘いスイーツですがスパイスを入れると新しい美味しさです。
作り方
【1】
ちくわぶは長さを7等分に切ります。
(一般的なちくわぶの場合は3㎝程度)
りんごは皮を剥いて、5mm程度のくし形に切ります。
【2】
フライパンに砂糖と水を入れて弱火にかけます。
キャラメル色になったら、バター、りんご、ちくわぶを入れて、りんごの水分が出るまでかき混ぜ、蓋をして5分煮ます。
【3】
蓋を開けてオールスパイス、シナモンを入れて混ぜ、再度蓋をして5分煮ます。
【4】
りんごをフライパンの端に寄せて、ちくわぶは立てて両面こんがり焦げ目がつくまで焼きます。
りんごは木べらでつぶしながら、時々かき混ぜます。
【5】ちくわぶに両面焼き目がついて、りんごの水分がなくなったら火を止めます。
【6】ジャム状になったりんごを、スプーンでちくわぶの穴に詰めます。
【7】
お皿に余ったりんごジャムを丸く敷き詰め、その上にちくわぶを並べます。
ちくわぶの魅力
――では最後に、丸山さんにとってちくわぶの最大の魅力を教えてください。
丸山さん:
味がないところですね。
だからこそ、おでんなどの出汁の旨味がたっぷりしみ込んだちくわぶもおいしいですし、スパイスやカレー粉を使った濃い目の味つけも決まるんです。
それに、ちくわぶは味がないからこそ、パスタの代わりにもパンの代わりにもなれるし、スイーツにもなれるんです。
クッキーもケーキも小麦粉からできていますよね。
色々な使い方ができて、茹でたり揚げたり、調理法によって食感も変わります。
あとは切り方。
輪切りにすればお星さまやお花みたいにかわいくなるし、縦に切れば麺のようにもなります。本当にバラエティ豊かで色々な使い方ができるんです。
たくさん可能性があるのが面白いんです。
――ありがとうございました!
想像以上に奥が深くて自由なちくわぶの世界。
皆さんもぜひこの冬のおうち時間のおともに、ちくわぶとスパイスで未知との遭遇をお楽しみください!
◎献立に迷ったら… →エスビー食品レシピサイト
◎スパイス&ハーブを中心とした各種情報をお届け! →エスビー食品公式facebook
◎レシピ、商品・イベント・キャンペーン情報などをつぶやいています →エスビー食品公式twitter