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タンパク質は「取り方」が大事。管理栄養士に聞いたスパイシープルドチキンのレシピ

健康志向が高まるこのごろ。「タンパク質を意識して取っている」というお話を本当によく耳にしますが、体にどんな良い効果があるのでしょうか。「なんとなく」取っているだけでは、実はもったいないことをしているかもしれません。今回は、タンパク質の働きや効率よく取る方法といった知識から、定番食材の鶏むね肉&スパイスで作る「スパイシープルドチキン」のレシピまでご紹介します。語り手は、管理栄養士の広田千尋さんです。

管理栄養士・広田千尋
栄養士免許取得後、医療分野にも関わりたいという思いから管理栄養士免許を取得。保育園、病院、保健センターなどで13年の経験を積み、フリーランスとして独立し現在に至る。1児の母として身近な材料で簡単に作れるレシピの提案など、健康づくりを支える活動を行う。正しい情報をわかりやすく読者へ伝えることをモットーに、栄養・食に関する専門ライターとしても活動している。
X(旧Twitter):https://twitter.com/Hiro_eiyo
Instagram:https://www.instagram.com/chihiro_eiyo/

タンパク質って、どう体に良いの?

タンパク質は体を作る材料になったり、免疫機能を維持してくれたりと、私たちの健康を守るうえで欠かせない栄養素です。まずは、タンパク質の主な2つの働きについて見てみましょう。

1つ目は、「筋肉を作る」こと。タンパク質というと、トレーニングや運動をしている人が意識して取るイメージがあるかもしれませんが、運動をしていない人でもタンパク質が必要です。タンパク質が不足してしまうと筋肉が分解されてしまいやすくなるため、筋肉がどんどん落ちてしまいかねません。そうすると、体力が落ちてしまったり基礎代謝が下がってしまったりしてしまうんです……。

2つ目は「免疫機能を守る」ことです。タンパク質は免疫システムが正常に働くために必要な栄養素。もしタンパク質が極端に不足した生活が続くと、免疫力が低下してしまう恐れもあります。

このようにタンパク質は、私たちが日々元気に生活するために、さまざまな働きをしてくれています。

タンパク質の効果的な取り入れ方

体に良い働きをしてくれるタンパク質。工夫をしながら取り入れることで、より効果を高めてくれます。具体的なポイントは、以下の3つです。

①良質なタンパク質を取り入れる

動物性タンパク質と大豆は、タンパク質の質を評価する「アミノ酸スコア」が100点満点のものがほとんどで、良質なタンパク質と言われています。アミノ酸スコアが高いほど、タンパク質が体内で効率良く使われるんです。そのためにも、肉・魚・卵・大豆製品を意識して取り入れてみてください。

②糖質も一緒に取る

糖質が不足していると、せっかく取ったタンパク質が体づくりの材料として使われず、エネルギーとして燃やされてしまうので、もったいないことに。一緒に取れば糖質はエネルギーとして使われるため、その分タンパク質が体の中で効率的に使われます。健康に良いからと言ってタンパク質“だけ”をたくさん取るのではなく、栄養バランスの良い食事をするよう心がけましょう。

③1日3食取る

昼・夕など偏ってタンパク質を取るよりも、1日3食、均等にタンパク質を取るほうが筋力アップとキープにつながると言われています。「朝は食べない・軽めに」といった人もいるかもしれませんが、簡単なスムージーやサンドイッチなどに組み込んでみるなど、なるべく朝もしっかりタンパク質を取りましょう。

ヘルシーなのにやみつき!スパイシープルドチキンのレシピ

タンパク質補給の定番食材である鶏むね肉。アミノ酸スコアが100点満点で、脂質が少なくヘルシーなので、管理栄養士としてもおすすめしたい食材です。でも、パサパサしたりメニューが代わり映えしなくなったりするのが悩みどころですよね。

そこで今回は、鶏むね肉にスパイスをあわせた、ちょっと珍しい「スパイシープルドチキン」のレシピをご紹介します。

プルドチキン(pulled chicken)は、細かく引き裂いた(pulled) 鶏肉に、バーベキューソースを絡めたもの。豚肉で作る「プルドポーク」が一般的ですが、ヘルシーな鶏むね肉でもおいしく作れます。こちらは油の使用量を最低限にしているので、とってもヘルシーかつ、スパイスの効いたやみつきになる味わいです。

ほぐした鶏むね肉にスパイスの効いたバーベキューソースが絡んで、まさに絶品! パサつきにくい工夫をしているため、しっとりと仕上がりますよ。ぜひお試しください。

【材料】 作りやすい分量(3~4人前)
鶏むね肉(1枚)……約300~350g
<ブライン液用 ※省略可>
水……100ml
砂糖……5g
塩……5g
<下味用>
S&B チリパウダー……小さじ1.5
S&Bクミン(パウダー)…小さじ1.5
S&Bパプリカ(パウダー)……小さじ1.5
S&Bブラックペッパー(あらびき)…小さじ1
S&Bナツメッグ(パウダー) ……小さじ1 ※省略可
塩……小さじ1/4
<焼く用>
サラダ油……大さじ1/2
酒……大さじ4
<ソース用>
たまねぎ(すりおろし)……1/4個(約50g)
ケチャップ……大さじ2
赤ワイン(または酒)……大さじ2
ウスターソース……大さじ1
砂糖……小さじ1
S&B本生生にんにく……小さじ1/2

【1】

鶏肉は皮と脂肪分を包丁で取り除きます。

【2】

肉の厚みがある部分は、包丁を使って切り開いておくと火の通りが均一になり、焼きすぎてパサパサしてしまうのを防いでくれます。

【3】

全体をフォークで刺して、両面に穴を開けます。肉が硬くなるのを防ぎ、味のなじみもグッと良くなります。

【4】

ポリ袋に「ブライン液※」の材料を入れて鶏肉を入れます。口を閉じて冷蔵庫で1時間ほど寝かせてください。

※「ブライン液」とは、水、砂糖、塩を混ぜた調味液のこと。塩が肉のタンパク質の一部を溶かして水分をキープしやすくなり、さらに砂糖は水を蓄える性質があることから、お肉をしっとりとさせてくれるのです。お肉がグンと柔らかくなるので、「魔法の水」と呼ばれることもあります。
面倒な場合は省略して問題ありませんが、漬けるのと漬けないのとでは、仕上がりに差が出ます。驚くほどしっとりしますので、ぜひ一度試してみてほしいです!

【5】

1時間経ったらブライン液から鶏肉を取り出し、水気がなくなるまで拭き取ります。

【6】

下味用のスパイスと塩を混ぜ合わせてから、鶏肉の表面に振って擦りこみます。

【7】

常温で15分ほど置き、スパイスをなじませます。今回はチリパウダー・クミンパウダー・パプリカパウダー・ブラックペッパー・ナツメッグの5種類を使っていますが、ちょっと多いなという場合にはナツメッグを省略しても大丈夫です。ただし、ナツメッグを入れると味の奥行きがかなり広がるので、スパイシーな料理が好きな人はぜひ入れてみてください。

※今回使っているのは「チリパウダー」で「チリーペッパー」ではありません。間違えると辛くなりすぎてしまうので、ご注意ください!

【8】

15分経ったら焼いていきます。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、鶏肉を両面こんがりと焼きます。熱されたスパイスの良い香りが漂ってきます。

【9】

両面に焼き色がついたら酒を入れます。弱火にし、ふたをして7~8分蒸し焼きにしてください。

【10】

中まで火が通ったらバットなどに鶏肉を取り出します。肉を焼いていたフライパンはそのままにしておきましょう。

【11】

粗熱が取れたら、フォークを使って肉を裂いていきます。ほぐし加減はお好みで大丈夫ですが、肉がごろっと大きめだと食感が残り食べごたえがありますよ。

【12】

次はソース作りです。先ほど鶏肉を焼いたフライパンに「ソース用」の材料を入れ、中火にかけて煮詰めていきます。

【13】

ソースがとろっとしてきたら裂いた鶏肉を戻し入れて、サッと煮絡めたら完成です。

スパイシープルドチキンはサラダやサンドイッチにおすすめ

できあがったプルドチキンは、サラダやサンドイッチの具材としていただきましょう。

よりヘルシーに食べたいなら、サラダにあわせるのがおすすめ。お好みの生野菜にオリーブオイルをまわしかけ、プルドチキンをのせるだけです。

スパイシーかつ濃厚なソースが鶏肉によく絡み、やみつきになる味わいです。

味にクセのある野菜とも相性が良いので、クレソンやパクチーとあわせても。またサニーレタスやサンチュなどの葉物野菜でクルリと巻いて食べてもおいしいですよ。他にも、バケットにのせたり、キャベツやレタスと一緒にパンで挟んでサンドイッチにしたりするなど、組み合わせ方はたくさん!

スパイスを活用すると、淡泊な鶏むね肉がぐっと味わい深くなります。タンパク質も取れて、ヘルシーでおいしいプルドチキン。ぜひお楽しみください。

文・写真:広田千尋

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