【炊飯器とレンジで】楽うま「ビリヤニ」を梅雨こそ炊き込もう!プロ直伝おうちビリヤニの楽しみ方
スカッとしないこの梅雨の時期、ガツンとスパイスが利いた美味しいビリヤニを食べてみなさんに明るい気持ちになっていただきたいっ! そう思い立ち、料理人のイナダシュンスケさんに簡単で本格味のビリヤニレシピを教えていただきました。ビリヤニの付け合わせの定番ライタもあわせて、ぜひお試しください!
インド料理の「ビリヤニ」、みなさんは食べたことありますか?
“インドの炊き込みご飯” と例えられることが多いこの料理。スパイスとハーブが合わさって香り高く、オイルと肉の旨味を含んだお米がもう美味しくて手が止まらない! と近年魅了されるファンが続出している、不思議な魅力をもつ料理です。
ただひとつ、問題があるとすれば、「自分で作るにはちょっと大変そう」なこと……。
長細い米(バスマティライス)を使い、専用の大鍋で炊き込んで、と自宅で再現するには難しそうなイメージがあるビリヤニですが、
今回はなんと炊飯器と電子レンジ、それに日本米があれば簡単にできる!? そんな魅惑のレシピをご紹介します。一口食べて驚くほど、味も本格派なんです。
教えてくださるのは、南インド料理専門店「エリックサウス」を経営する飲食店プロデューサーであり、料理人のイナダシュンスケさん。 気分が落ち込みがちなジメジメとした梅雨の季節ですが、こんなときこそおうち時間を使って、試したことがない料理にチャレンジしてみませんか?
イナダさんに聞く、「おうちビリヤニ」を楽しむためのビリヤニ知識
レシピをご紹介する前に、イナダさんに「ビリヤニ」について少し聞いてみました。
――そもそも、「ビリヤニ」とは一体何なのでしょうか?
ビリヤニの定義は諸説ありますが、僕は日本でいう炊き込みご飯に近い、「インド風スパイシーパエリア」という説明をしています。
そもそもビリヤニは「お米に味をつけるために肉を入れる」のではなく、「肉を料理するついでに出る美味しい汁を無駄にしないよう、お米にも吸わせる」という発想から生まれた料理なんです。つまり、お米料理というより肉料理なんですね。
そこで重要なのは、調理前に米よりも肉の量を多くすること。今回のレシピも米150gに対し鶏肉は240gと倍近くの量が入っています。
先ほど「炊き込みご飯に近い」と言いましたが、日本の炊き込みご飯だと「鶏めし」と言っても、米の倍近く鶏肉が入ることはないですよね。たくさんのお肉がゴロゴロ入っていて、スパイスが利いている。それがビリヤニならではの特徴です。
――「ビリヤニ」にスパイスが利いているのは、なぜだと思いますか?
私たちは鶏肉があれば「塩焼きにしようか、唐揚げにしようか......」と具材ありきで調味料や調理方法を考えますよね。
ですが、インドでは「鶏肉」といえばスパイスをセットで使うのが当たり前。「スパイスがなければ、鶏肉は調理できない」という考え方が根付いてるんです。
野菜と米だけであればスパイスを使わずに調理することもありますが、鶏肉を使用するときはふんだんにスパイスを用いるのが基本なんです。
――なかでも、エリックサウスならではのビリヤニの魅力を教えてください!
当店では、大きくわけて「タミル式」(オリジナル)のビリヤニと「ハイデラバード式」の2種類のビリヤニを提供しています。
タミル式は生米に具材やスパイスを混ぜて、一緒に炊く調理法。ハイデラバード式は、スパイスを入れた熱湯で、生米に香りをつけながら硬めに茹でた後、お肉やスパイスが混ざった「マサラ」(カレーソースのようなもの)と重ね、密封して蒸し焼きにする調理法です。
ちなみに、今回紹介するレシピはこのハイデラバード式を家庭用にアレンジしたもの。
お店のメニューは、チキン、マトン、フィッシュ、エビ......さまざまなバリエーションがありますが、具材にあわせてスパイスの配合や調理方法まで変えています。 「単に具材を変えただけ」というものはひとつもなく、それぞれ別個の料理と捉えているんです。
――おお、今回のレシピもこのメニューならではの魅力がありそうです。早く食べたくなりました!
お手軽×本格『チキンビリヤニ』レシピ(調理時間:30~40分)
今回作るのは「チキンビリヤニ」。手軽なのに本格味を叶えるレシピを教えていただきました。
【お手軽ポイント】は、
・日本米を使う
・炊飯器&電子レンジを使って作る(しかも炊飯器には匂いがつかない工程です!)
・レトルトカレーを使うことで材料が少なく済む
【本格ポイント】は、
・本場同様、最後の仕上げは「重ね蒸し」
・味と香りの決め手は本格派レトルトカレー
・スパイス&ハーブで見た目も香りもアップ!
では、さっそく作っていきましょう。
<材料> (2人前)
(A)
米(日本米) 1合
水 150cc (または普段の2割減の水加減で)
塩 小さじ1/2
鶏手羽元 4本
バター 10g
S&B ガラムマサラ 小さじ1
S&B 噂の名店 南インド風チキンカレー
S&B ターメリックパウダー 小さじ1/2
香菜 みじん切り 大さじ2(お好みで)
ミント ざく切り 大さじ1(お好みで)
※手羽元は、鶏もも肉でも代用可能。鶏ももの場合は、油分が多くならないように皮をとって使いましょう
※今回のビリヤニはそこまで辛みが強くありませんが、お子様向けに辛さをおさえたい場合は、レトルトカレーを甘口に変えるとより食べやすくなります
<作り方>
炊飯器に(A)の材料を入れて炊きます。
炊けたら釜を取り出して全体をほぐし、そのまま少し冷ましておきます。この間に余分な水分も飛ぶので、ライスがベタつかなくなります。
キャセロール(ココット)もしくは耐熱ボウル、無ければ丼やレンジ可のタッパーなどを用意し、炊けたライスの半分を敷き、その上に手羽元をすべてのせます。
ガラムマサラ を全体に振りかけ、
カレー(レトルト)を常温のまま全体を覆うようにかけましょう。
お好みで、香菜とミントを全体に散らします。「インドではだいたいこの2つ」とイナダさん。
残りのライスで全体を覆います。
ターメリックを少量の水(分量外、小さじ1程度)で溶き、ライスの表面にジグザグとまだらになるようかけます。
蓋をして(蓋がない場合は端に少し隙間を作ってラップをかけて)電子レンジで5〜8分程度、加熱しましょう。
このときは700Wで約5分ほど。「湯気が出るほどアツアツになればそれでOK」。
そのまま5分ほど蒸らしたら、完成です。あっという間!
炊き上がったビリヤニは、なるべく混ぜずにそのまま縦に掘って、まだらな感じを残したままお皿に盛ります。
お好みで、香菜、ミント、赤玉ねぎ、トマト、ナッツ、レーズンなどをトッピングしましょう。
見た目がなんとも華やか! チキンから出る水分と油分を逆算してギリギリの水加減で炊くため、食べると、日本米と思えない不思議なパラパラ食感。
芯が残っているのともまた違う米の絶妙な炊き具合と、簡単にほぐれる柔らかいチキン。もう、たまりません!
レトルトカレーのおかげで、まるで複数のスパイスをふんだんに配合したような複雑な香りです。辛さも大人がちょうど美味しく食べられる加減。これはぜひ試していただきたいです!
ビリヤニと相性抜群、スプーンで食べるヨーグルトサラダ『ライタ』レシピ(調理時間:5~10分)
ビリヤニの付け合わせとして欠かせない「ライタ」も教えていただきました。材料を切って混ぜるだけの簡単工程です。
<材料> (2人前)
きゅうり 1/2本
トマト 1/2個
プレーンヨーグルト 1/2カップ
塩 小さじ1/3
S&B ブラックペッパーあらびきまたはパウダー 少々
S&B クミンパウダー 少々(お好みで)
<作り方>
きゅうりとトマトは角切りにし、材料をすべてボウルに入れます。
すべて混ぜ合わせたら、出来上がり。
器に盛り、ビリヤニの横に添えましょう。
ペッパーが利いた、シャキシャキと夏野菜の食感が楽しいヨーグルトサラダ。
一度ビリヤニにかけて食べると、もうそれなしでは物足りなく感じるほど、相性抜群です。
おうち「ビリヤニ」の食べ方やドリンクのおすすめは?
最後に、イナダさんにおすすめの食べ方について質問しました。
――付け合わせに作った「ライタ」のおすすめの食べ方はありますか?
インドではビリヤニに直接かけて食べることが多いですが、箸休め的にサラダのような感覚で食べてもいいと思います。
ライタはビリヤニの美味しさを引き立てるもの。ご自身の好きなタイミングでビリヤニと合わせて楽しんでほしいです。
――ビリヤニに合わせるソフトドリンクや、お酒のおすすめはありますか?
インド人は「ビリヤニにはコーラを合わせるに限る!」とよく言います。日本人からすると不思議かもしれませんが、コーラに使われているスパイスはシナモン、クローブなど、ビリヤニに使うスパイスとかぶっているので抜群に相性が良いんです。
また、ビリヤニにはレーズンやオレンジといったフルーツをトッピングしたり、レモンを絞りながら食べたりすることもあるのでフルーティーなドリンクと合わせるのがおすすめです。
アルコールだと、ロゼのスパークリングやフルーティーな白ワイン、寒い時期はホットワインもいいですね。
――ありがとうございます。最後に、これからインド料理に挑戦する方にメッセージをお願いします!
インド料理は掘っても掘っても出会ったことがない味が出てきて、正解がないところが面白いです。
地域が変わるだけで調理法が変わったり......。僕が知っていることも、お店に提供しているものもインド料理のごくごく一部でしかありませんので、常に正解を追い求めていると言っても過言ではありません。
まずはこのビリヤニをきっかけに、インド料理を楽しんでもらえたら嬉しいです。何より、「美味い!美味い!」と無我夢中でビリヤニを食べてほしいですね。
取材・文:エスビー食品・高橋まりな(ふつかよいのタカハッピー)/撮影:藤原慶/編集:エスビー食品note
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