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【あんこ×スパイス】ほっと心安らぐ「香る和菓子」

桜も散り、爽やかな新緑の季節がやってきました。楽しいことがいっぱいの夏に備えて、ちょっぴり心を休ませてみるのはいかがでしょう?ほっと落ち着く、スパイスを使った和菓子レシピをご紹介します。

レシピを教えてくれたのは、和菓子と日本酒のマリアージュを提案する『和菓子 薫風』の店主・つくださちこさん。なんと、キャラウェイシードを使ったどら焼きの作り方を教えてくれました。

「和菓子を家で作るのはハードルが高そう……」と感じる方も少なくないはず。しかしつくださんによると、どら焼きはもともと庶民の食べ物だったとか。だから、細かい作業や高い技術は不要! 和菓子初心者も簡単に作れるのだそうです。

スパイスとどら焼き。はたしてどんな味になるのでしょうか?

キャラウェイシード×どら焼きの魅力

どら皮にキャラウェイシードをまぶすというユニークなどら焼きは、つくださんが普段お店で出しているどら焼きとは違うもの。以前、日本酒の蔵元が主催するイベントに出店した際に作った「日本酒に合う和菓子」をベースに考えたレシピなのだとか。

つくださん:さまざまなスパイスを試した結果、つぶあんと最も相性が良かったのがキャラウェイシードでした。耳馴染みのない方もいるかもしれませんが、ほのかな甘さと爽やかな香りが魅力のスパイスで、焼き菓子に使われることが多いですね。当初、このどら焼きは、日本酒と一緒に楽しむことを考えて作りましたが、お酒だけでなく紅茶や中国茶にもよく合いますよ。どら皮にまぶしたキャラウェイシードの香りが、あんこに移った瞬間の風味が最高なんです。

お酒にもお茶にも合うスパイスどら焼きに、期待が高まります!
それでは、さっそく作り方を教えてもらいましょう。

キャラウェイシードが香るどら焼きのレシピ

〈材料〉 25個分
●生地
全卵……400g
蜂蜜……30g
重曹……8g
水……150ml
三温糖……400g
薄力粉……500g
S&B ORGANIC SPICE 有機キャラウェイシード……適量

●つぶあん(市販)……500~600g

直径8cmほどの小さめサイズ25個分の材料です。「25個なんて多い!」と思うかもしれませんが、どら焼きは冷凍保存できるのでご安心を。一つずつラップに包んで冷凍し、食べるときは自然解凍してください。

材料の他に、大きめのボウル2個、ゴムベラ、泡立て器、ザル、フライパンまたはホットプレート、フライ返しを使います。

【1】

まずは、薄力粉と三温糖を全て混ぜ合わせます。

【2】

別のボウルで卵をしっかりと溶き、そこに蜂蜜・重曹、必要に応じて水を加えてさらに混ぜ合わせます。卵液の色が濃くなってきたら、重曹もちゃんと溶けて混ざった合図です。

【3】

1の中心にくぼみを作り2を流し入れ、粉の壁を少しずつ崩すように混ぜ合わせます。

【4】

3を水切りザルに通してこします。

つくださん:お店で出しているどら焼きは、目の細かいザルを使って2回こしています。しかし、ご家庭でやるには大変ですし、1回こすだけでも十分です。こす工程を丸々省いてもどら皮は作れますが、この一手間をかけることで生地が驚くほどなめらかになりますよ。

【5】

鉄板に、薄く均一に植物油を塗り、おたまで生地を流して焼きます。

つくださん:この鉄板は平鍋という道具です。ご家庭では、ホットケーキを焼くときのように、ホットプレートやフライパンを使ってください。生地は、真上から落とすと自然と遠心状に広がりますよ。丸くしようとおたまを動かすと逆にいびつな形になってしまうので、じっと垂れるのを待つだけで大丈夫。焼き上がりのイメージ(今回は直径約8cmほど)より、少し小さく留めるのがコツです。

【6】

生地の表面がぷつぷつとしてきたら、キャラウェイシードを適量振りかけます。

【7】

フライ返しやコテを使って生地をひっくり返し、裏面を軽く焼きます。すでに中まで焼けているので、裏側は長い時間焼く必要はありません。

ちなみに、鉄板にキャラウェイシードを乗せ、その上から生地を焼く方法も。こうすると、どら焼きの表面にキャラウェイシードが乗って、見た目にも楽しくなります。

【8】

焼き上がったどら皮に、あんこを乗せてふわっと挟みます。あんこの量はお好みで。

つくださん:キャラウェイシードにあんこの水分が触れることで香りが立ち、あんこに爽やかな香りが移ります。焼きたての温かいうちにあんこを挟むと水分が蒸発せず、しっとりとした食感が楽しめますよ。

【9】

できあがり! キャラウェイシードの爽やかな香りがあんこの甘さを引き立て、ちょっぴり大人な味わいのどら焼きに仕上がりました。

【検証】あんこに合うスパイスはどれだ!?

「全部同じ味のどら焼きじゃ飽きちゃう」という方は、あんこにお手持ちのスパイスを加えてみては? どのスパイスがあんこに合うのか、オールスパイス・シナモン・バジルをそれぞれ混ぜてみました。

あんこにたっぷりスパイスを振りかけ、味がまだらにならないようにしっかりと丁寧に混ぜます。味見の結果は以下の通り。

・オールスパイス
つくださんのイチオシ。アジアのお菓子を思わせる、エキゾチックな風味になりました。オールスパイス自体が存在感のあるスパイスなので、あんこの味に負けず見事にマッチしています。

・シナモン
京都土産でおなじみの八ツ橋のような味になりました。「多すぎるかも?」と思うぐらい、たっぷり入れても美味しい!

・バジル
あんこにはあまり合わないんじゃ……と思いきや、意外と相性が良さそう。

つくださん:バジルと合わせるなら、白あんがいいかもしれませんね。オリーブオイルを少し足すと、ぐっと香りが引き立ちますよ。

一見すると意外な組み合わせに思えるスパイスとあんこが、こんなにも合うなんて! おうちにスパイスが余っている方は、どら焼きに挟むあんこもスパイスで「味変」してみてはいかがでしょうか?

季節の変わり目は何かと疲れてしまいがち。おうちでのリラックスタイムには、ほっと心が安らぐスパイス和菓子をぜひ試してみてくださいね。

レシピ・監修:つくださちこ/文:吉玉サキ/撮影:大崎あゆみ

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