赤缶カレー粉で本格スパイスカレー! さつまいもでほんのり甘い秋の味覚を楽しむ
暑さが和らぎ、そろそろ食欲の秋の到来です。実りのシーズンはおいしい食材がたくさん。秋が旬の食材を使って、ご飯をもりもり食べちゃいましょう! そこで今回はさつまいもをたっぷり使ったスパイスカレーをご紹介します。
レシピを教えてくれたのは、カレー研究家であり、スパイスカレーYouTuberの浅香隆幸(あさかたかゆき)さんです。レシピが難しいイメージのあるスパイスカレーですが、なんと使うスパイスは赤缶カレー粉とご自宅によくあるスパイスのみ! 多数のスパイスを買い揃えて配合する手間が必要もなく、誰でも本格的なスパイスカレーを作ることができます。
「実はスパイスカレーは作り方が簡単だし、料理初心者でもコツを押さえれば失敗しにくい」と話す浅香さん。おいしく作るポイントを余すことなく教えていただきました!
これひとつあれば簡単! 赤缶カレー粉の魅力とは?
赤缶カレー粉を使い、誰でも簡単に作れるスパイスカレーのレシピを考案し、YouTubeで発信し続ける浅香さん。現在、チャンネル登録者数は4万人以上と、多くの人が浅香さんの作るスパイスカレーのとりこになっています。
まずは、浅香さんから見た赤缶カレー粉の魅力や、スパイスカレー初心者にもおすすめな理由について教えてもらいました。
浅香さん:いくつかのスパイスを買ってきて自分でブレンドしながらカレーを作るのは、初心者にとってハードルが高いもの。私も最初の頃はスパイスの配合の正解がわからず苦労しました。スパイスをひとつずつ集めると、収納スペースが必要だったり、ほかに使い道がわからず余らせてしまったりなど、悩みも多いですよね。
でも赤缶カレー粉を使えば、ターメリックやコリアンダー、クミンなど主要なスパイスを含む30種類以上のスパイスが計算された比率で入っているので、自分で調合しなくても風味が決まります。スパイスカレー作りに挑戦するなら、まずは赤缶カレー粉を使ったレシピでスタンダードな風味を覚えて、徐々にスパイスを買い揃えて自分なりのカレーを追求していく方法がよいと思います。入れる具材を変えるだけでも味わいに変化が生まれるので、今回のレシピを参考にいろいろチャレンジしていただけると嬉しいです。
では、さっそく作り方を見ていきましょう。
赤缶カレー粉で作る、季節のスパイスカレー
さまざまなスパイスを買い集めなくても、必要最低限の材料で作れるレシピです。今回はさつまいもを使用していますが、じゃがいもやかぼちゃに置き換えてもおいしく作れます。カスリメティは省いてもOKですが、ほろ苦い風味でぐっとプロっぽく仕上がるのでぜひ使ってみましょう!
まずは下準備からです。
【1】
たまねぎを薄切りにしていきます。
浅香さん:スパイスカレーではたまねぎをみじん切りにすることが多いですが、手間がかかるので今回は薄切りにします。たまねぎは半分に切ってから、皮をむくと作業しやすいのでおすすめです。あとの工程でしっかり炒めてトロトロの状態にしていくので、厚みにバラツキがあっても大丈夫。神経質になりすぎず、自分のできる範囲で薄く切っていきましょう。
【2】
鶏もも肉の皮や余分な脂を取り除き、4~5㎝ほどのひと口大にカットします。
【3】
さつまいもは食べやすい大きさに乱切りにします。
鍋にさつまいもと、かぶるくらいの水(分量外)を入れたら、強火にかけます。沸騰したら弱火にして、さつまいもが柔らかくなるまで15~20分ほど煮ます。竹串がすっと通るようになったら、取り出しましょう。
浅香さん:さつまいもはカレーと一緒に煮込んでもよいですが、煮崩れしやすい食材なので、別茹でして最後に加えます。
下準備ができたら、調理に入っていきます。
【4】
鍋に油を大さじ2~3杯ほど入れて、火をつけます。油が温まったら薄切りたまねぎと、塩ひとつまみ(分量外)を入れて、強火にかけます。鍋は深いものを使用していますが、作る分量の材料が入る大きさであれば、フライパンでもできます。
浅香さん:カレー作りは油が非常に重要です。たっぷりの油を入れることが、後のトマトを炒める工程で活きてきます。逆に油を控えると失敗しやすくなるので注意します。ここで塩を入れるのは、浸透圧の作用を利用して、たまねぎの水分を効率よく出すためです。水分を早めに飛ばせるので、調理時間の短縮につながります。
【5】
強火のままジューっという音がなくなるまで炒めます。木べらを左右に動かし、水分が出ないか確認しましょう。
水分が十分に飛んだら、鍋底にたまねぎを平らに広げて1分30秒ほど置いて、焼き色をつけます。
たまねぎに差し水(分量外)を少し加え、素早く混ぜ合わせながら、水分を飛ばします。5の作業を、たまねぎがトロトロの状態になるまで繰り返します。
浅香さん:差し水を加えることで焦げ過ぎる心配がありません。たまねぎの火の通りも均一になるので、誰でも失敗なく、効率よく飴色たまねぎを作ることができます。
全体が茶色く色づき、トロトロとした状態になるまで炒めたのがこちら。
浅香さん:おいしいスパイスカレーを作るためには、たまねぎを焦がさずによく炒めることが大事。飴色たまねぎにすることで甘みが増すうえに、カレーに溶けてなめらかな舌触りになります。多少の焦げは気にしなくても大丈夫なので、おおらかな気持ちで作りましょう。
【6】
S&B 本生生にんにく、S&B 本生生しょうがを加え、にんにくの青臭さを飛ばすように炒めます。焦げないように絶えずかき混ぜるのがポイント。焦げそうな場合は少量の水を加えましょう。
【7】
トマト缶を入れ、強めの中火のまま、果肉をつぶすようにしながら炒めます。
水分が抜け、ペースト状になるまでが目安です。
浅香さん:トマトの酸味を抑えるために、よく炒めます。油を使い高温で炒めることで、トマトの酸味が軽減されます。水分が残っていると高温になりにくいので、トマトをつぶして水分を出しながら煮詰めましょう。この段階での差し水は鍋の温度が下がり、トマトの酸味が残る原因になるので絶対NGですよ。
【8】
一旦火を消して、S&B 赤缶カレー粉、S&B ブラックペッパー、天然塩を加えます。軽くかき混ぜてから、焦げないように少量の水(分量外)を加え、強めの中火で炒めます。
【9】
スパイスの香りが立ってきたら、鶏肉を入れ、表面が白くなるまで炒めます。
【10】
水(350ml)を入れてペーストを溶かすように混ぜたら強火に。沸騰したら蓋をして、弱火で15分から20分煮込みます。
【11】
さつまいもとバターを入れて、よくかき混ぜます。ここで味見をして、物足りなければ塩を加えて調節します。
浅香さん:最後に必ず味見をしましょう。ここで足すのは塩のみ。味が物足りないときにスパイス不足を疑いがちですが、スパイスではなく、塩が不足していることがほとんどです。適度な塩分はスパイスの香りを際立たせてくれます。ご飯と一緒に食べたときのバランスを想像して、自分好みの塩加減を探してみましょう。
完成。
【12】 おまけ
S&B カスリメティがあれば、11に入れて混ぜ合わせ、再加熱。全体に馴染んだら盛りつけましょう。
浅香さん:甘い香りとほろ苦い風味が特徴のカスリメティは、スパイスカレーやエスニック料理の風味付けなどで使われるハーブです。少し入れるだけで、家庭の味からお店のような味にジャンプアップできますよ。ちょっと珍しい食材ですがインターネットで購入できる便利な時代なので、ぜひ買ってみてください。きっとお気に入りのハーブになると思います。
さつまいもの甘みとスパイスのギャップがクセに!
スパイスの刺激的な香りに、さつまいもの甘い香りが合わさって思わず食欲がそそられます。ひと口食べると、さつまいもやたまねぎの甘味で、よりスパイスの良さが引き出されているように感じました。
ちなみに今回使ったさつまいもの品種は、紅はるか。浅香さん曰く、「甘みの強い品種のほうがおすすめ」とのことです。
浅香さんのYouTubeチャンネル「のんびりスパイスカレー調理室」でもレシピ動画を公開中。ぜひチェックしてみてください!
レシピ・監修:浅香隆幸/ 文:大瀧亜友美 / 撮影:大崎あゆみ
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