スパイス×和食の新提案! アレンジを楽しむ一汁三菜
じわじわと体力を奪っていくような暑さが続くこの頃。スパイスを使ったおうちごはんで、エネルギーをチャージしませんか? 今回のテーマは、馴染み深い献立にスパイスを組み合わせた「スパイス和食」。主菜と2つの副菜、汁物がそろった和食の基本スタイル・一汁三菜は、意外にもスパイスでいろんなアレンジが楽しめるんです。
教えてくれるのは、テレビ番組や雑誌で活躍する料理研究家・重信初江さん。スパイス料理初心者や、仕事に家事に忙しい日々を送る人にも嬉しい、簡単ステップで作れるレシピを考案してくれました。
重信さん:スパイスは、お肉のくさみを抑えたり、味や香りのアクセントとなってくれるので、和食にもうまく使ってあげると料理の幅が広がりますよ。今回は、多くのご家庭で余らせがちなスパイスを使った献立をご紹介します。
副菜1:クミンシードの塩きんぴら
まずは副菜から作っていきます。きんぴらと聞くと、「ゴボウを処理するのが大変……」「細切りが面倒くさい」と感じる方も少なくないはず。しかし、このレシピで使うのは、じゃがいもとにんじん! さらにありがたいことに、細切りにしなくてもOKという、時間がない時にもチャレンジしやすいレシピです。早速、作り方をみていきましょう。
【1】
まずは食材のカットから。じゃがいもとにんじんの皮をむき、同じぐらいのサイズに短冊切りにします。大きさの目安は、幅1cm、厚さ2~3mmほど。ベーコンは、幅1cmほどに切ります。
重信さん:じゃがいもとにんじんのサイズを揃えることで、加熱した時に同じスピードで熱が入るようになります。
【2】
フライパンに油とクミンシードを入れ、弱火で熱します。プチプチと泡が立ち、クミンの香りがしてきたら次の工程へ。
【3】
中火にし、1で切った食材を全てフライパンに入れ、じゃがいもが透き通るぐらいまで3~4分ほど炒めます。その後、Aを加えて木べらで混ぜながら炒め、汁気がなくなったら火を止めます。
重信さん:この塩きんぴらは、冷蔵庫で3~4日もつのもポイントです。ちょっと多めに作って、次の日のお弁当のおかずにしてもいいですね。
副菜2:コリアンダーの酢の物
もう一つの副菜は、酢の物です。「コリアンダーとお酢って合うの?」と思う人もいるかもしれませんが、コリアンダーはピクルスによく使われています。クセが強すぎず、ほんのりと甘く爽やかな香りが食材の風味を際立ててくれるのです。
【1】
あらかじめ、乾燥わかめを水で戻して水気を切っておきます。きゅうりは小口切りにしてボウルに入れ、塩をふって15分ほど置いたら、指でぎゅっと押すようにして水気を絞ります。
【2】
別の容器に、合わせ酢の材料を全て入れ合わせておきます。大きめのボウルに、水気をとったわかめときゅうり、ほぐしたカニかまぼこを入れ、合わせ酢を加えて全体を和えます。
重信さん:カニかまぼこはアミノ酸も含まれているので、だし要らずで美味しくできます。
汁物:バジルのみそ汁
続いて、具だくさんが嬉しい “食べる”みそ汁を作ります。重信さんによると、バジルは油分との相性が良いので、油揚げはぴったりの具材だそう。
【1】
食材のカットから。しめじは、ざっくりと小房に分けます。油揚げは1cm幅に切り、レタスは大きめの1口大に手でちぎります。
【2】
鍋にだしを沸かし、しめじと油揚げを入れます。煮立ったら弱火にし、さらに1分ほど煮ます。
【3】
レタスを菜箸で上から押さえるようにして加えて混ぜ、しんなりとしてきたら、みそを溶き入れて火を止めます。
重信さん:バジルの出番は、あとでのお楽しみ……!
主菜:シナモンのしょうが焼き
最後に作るのは、メインディッシュのしょうが焼き。手順は一般的なしょうが焼きを作る時と同じですが、タレにシナモンを加えます。味付けには砂糖ではなく、はちみつを使うのが肝。はちみつのまったりとした甘さと、シナモンのちょっぴりエキゾチックな甘い香りが食欲をそそるレシピです。
【1】
あらかじめ、タレを合わせておきます。
重信さん:はちみつのまろやかな甘さが味わいのポイント。手元にない場合は、代わりに上白糖を使ってもいいですよ。その場合は、はちみつの分量より気持ち多めに使うと、甘さがしっかりと出ます。
【2】
玉ねぎは1cm幅のくし切りにしてほぐし、豚肉は食べやすいように半分に切っておきます。豚肉の片面に、茶こしを使って小麦粉を薄くふります。
重信さん:豚肉に小麦粉をふることで、タレが絡みやすくなり、食べ応えも増します。ただ、時間が経つとどろっとしてきてしまうので、なるべく焼く直前にふるようにしましょう。
【3】
フライパンに油を熱し、小麦粉をふった面を下にして豚肉を並べます。玉ねぎも加え、強めの中火で上下を返しながら2~3分ほど焼きます。
【4】
1のタレを加え、全体につやが出るまで絡めたら火を止めます。
実食! スパイスの風味が楽しい一汁三菜
そして出来上がりがこちら! 彩りもあり、バランスのとれた食卓になりました。
みそ汁は、いただく直前にバジルをふりかけます。水分に触れた瞬間、バジルの涼やかな香りがふわり。シャリシャリとした食感が残るレタスも、食べ応えがあります。
重信さん:今回は乾燥したバジルを使いましたが、夏から秋は生のバジルも美味しい時期。ミニトマトを入れたお味噌汁を、バジルの葉を加えた後に火を止めて冷やしてから楽しむのもおすすめですよ。
そして、コリアンダーのほのかな清涼感がクセになる酢の物、カレーを思わせる独特の香りが広がる塩きんぴらもとっても美味しい! メインディッシュのしょうが焼きは、はちみつとシナモンの甘さが絶妙で、ごはんがどんどん進む味わいです。
素朴な献立にスパイスをちょっとプラスするだけで、味も香りも楽しい一汁三菜になりました。台所で眠っているスパイスがあるなら、いつものおかずに加えて「味変」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
レシピ・監修:重信初江/撮影:大崎あゆみ
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