料理は科学だ! おいしくて不思議なサイエンススイーツ【自由研究のコツつき】
「色の変わるゼリー」「溶けないアイス」「無重力パフェ」……
聞いたら???となるようなお菓子の数々。
科学実験の視点をお菓子に取り込んだ「サイエンススイーツ」が注目を集めています。
そこで今回は、「サイエンススイーツ」の生みの親であり、『不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ』などの著書もある太田さちかさんに、子どもも大人も楽しめるサイエンススイーツについてお聞きしました!
エスビー食品の商品を使ったオリジナルレシピや、自由研究をまとめるコツもありますよ!
ケーキデザイナーと芸術教育士、
ふたつの活動から生まれたサイエンススイーツ
〈太田さちかさん プロフィール〉
芸術教育士/ケーキデザイナー
パリ サンジェルマン・デ・プレで過ごし、慶應義塾大学、エコール・ド・リッツ・エスコフィエ、京都芸術大学大学院など日本とフランスで製菓、芸術を学ぶ。MFA(芸術系修士号)。芸術教育士として、こどもとママのためのアトリエ「My little days」を設立。10年以上に渡り、子どもを対象にしたワークショップを展開している。『sachi & cakes』ケーキデザイナー、コラムニストとしても幅広く活動。子供たちの興味や不思議、好き!といった感性に寄り添いながら、独自の世界観あふれるワークショップ、レシピが好評を呼び、企業サイトやウエディングシーン、多数メディアで活躍。
https://ameblo.jp/sachicafeparis
Instagram https://www.instagram.com/sachica_kidsartlifeproducer/
ケーキデザイナーとしての活動と、芸術教育士として子どもの創造性を育む活動。
双方の強みを生かした料理のワークショップを行う中で、サイエンスの視点があると子どもたちに分かりやすく伝えられることを実感したそうです。
やがて不思議をいっぱい集めたサイエンススイーツのワークショップやレシピ本へと発展していきました。
子どもも大人も、女の子も男の子も。
みんなでサイエンススイーツを楽しもう!
ワークショップには『お菓子作りが好きな子』だけでなく『実験が好きな子』も多く、お父さんの参加率も高いそうです。
お家で子どもと一緒に楽しむポイントを聞きました。
太田さん
「一番はプロセスを楽しむことです。料理する過程のなかにある、変化や反応などの動きを楽しんでください。
お子さんと一緒のときは『今こういう材料があるよね』と現状を把握させたうえで、『これとこれを混ぜたらどうなると思う?』と質問して仮説を立ててから実行するといいですよ。
お菓子作りは材料を厳密に計りますが、サイエンススイーツのレシピは分量に幅を持たせています。
例えば、混ぜて色を作るようなレシピでは、2gのところを10g入れてもいいんです。2gと10gでは変化が違うかもしれません。混ぜる割合を変えて色の濃さを変えたり、3色混ぜたり、さまざまな変化を楽しんでほしいと思っています。
以前、ワークショップで『重曹に酸性のものを混ぜて泡を発生させる』という内容を扱ったことがありました。
その時、他の作業はせずひたすら発泡させている子がいたんです。
最終的には、お酢をひと瓶全部重曹に入れていました。
とても不思議で面白かったんでしょう。その子ならではの個性です。
『そんなことしちゃダメ』と言わずに満足いくまで実験をさせて、一緒に楽しんでほしいなと思います」
サイエンススイーツを自由研究にまとめるポイント
さて、夏休みと言えば自由研究に悩む方も多いはず。
サイエンススイーツ作りを上手にまとめるポイントもお聞きしました。
ポイント① 仮説を立ててみる
・不思議に思うポイントがあれば「それはどうしてか」
・実験をする場合はその前に「やってみたらどうなるか」
上記を考えて仮説を出し、実際の結果と比べる。
ポイント② 目に見えない情報を言葉にする
・味や香りといった見えない情報を、言葉で表現するのが頑張りどころ。
・「食べたことのある味」「〇〇みたいな匂いがする」というように
その子ならではの表現で味や香りを表現できるといい。
・自分で表現することが難しいお子さんの場合は、
大人がサポートして引き出してあげましょう。
ポイント③ 比較をする
・同じ環境で材料などを少し違う内容にしてみる
・実験の最初と最後でどう変わったかを時系列で比較する
あとで比較しやすいよう、写真をたくさん撮っておくといいそうです!
記録写真を撮るコツ
・食べ物は自然光での撮影がきれいに撮れます。
実験をするなら昼間がベスト!
・角度は斜め上から、食事をするときの視点で撮影すると、
立体感が出ておいしそうに撮れます。
・記録写真の場合は背景を無地にしましょう。
白の画用紙や模造紙を背景にすると分かりやすくなります。
詳しい「まとめ方のヒント」は、エスビー食品の自由研究サイトに掲載しています。
ダウンロードして使える用紙もあります。ぜひご覧ください!
さあ、次はお待ちかねのサイエンススイーツレシピです!
【低学年向けレシピ】氷点温度を下げて!ふりふりアイス2種
氷に塩を混ぜて温度を下げる実験を、子供の頃にした方も多いのでは。
さっぱりした夏らしいアイスです。
〈材料〉 各1人分
●レモンアイス
ヨーグルト(プレーン) 100g
グラニュー糖 10g
S&Bきざみレモン 5g
●ゆずアイス
生クリーム(乳脂肪35%のもの) 50g
牛乳 50g
グラニュー糖 10g
S&Bきざみゆず 5g
氷 500g
塩 200g ※氷に対して40%の重さの塩が必要!
〈作り方〉
【下準備】
耐熱性プラスチックバッグ(大)1枚、(小)2枚を用意します。
ヨーグルトとS&Bきざみレモンは合わせておきます。
【1】
プラスチックバッグ(大)に、氷500gと塩200gを入れます。
【2】
プラスチックバッグ(小)に、アイスの材料をそれぞれ入れて封をします。
【3】
【1】の袋に【2】を入れて封をします。
【4】
袋をタオルで巻いて3分振ればでき上がり!
〈ミニ解説:氷点温度〉
水は0度で凍りますが、塩水は-21.3度まで凍りません。
(真冬でも海が凍らないのはこのためです!)
氷に塩を加えることで、氷になる温度(氷点温度)を下げる現象が起こります。
プラスチックバッグの中はマイナスの世界になり、アイスを短時間で作ることができるのです。
マイナスまで測れる温度計で、プラスチックバッグの中の温度を調べてみましょう!
何度になったかな?(一般的な家庭用冷凍庫は-18℃です)
実際に小学1年生の男の子に作ってもらいました。
全力でブンブン!
カチカチになっちゃいました。「すごく冷たい!」とびっくりです。
【高学年向けレシピ】シナモンで仕上げ!質量の層ドリンク
SNS映えもばっちりなミルクティー。
背の高いグラスを使うと層が分かりやすくなります。
〈材料〉 2人分
●シロップ
水 80g
てんさい糖 40g
牛乳 200g
紅茶 200g
ホイップクリーム 20g
S&Bシナモン(パウダー) 適宜
氷 適量
〈作り方〉
【1】
鍋にシロップの材料を全て入れて中火にかけ、ゴムベラで混ぜて溶かします。
溶けたら火を止め、粗熱を取ります。
【2】
グラスに【1】を等分に入れ、氷を入れます。
氷めがけて牛乳を等分して注ぎ、最後に紅茶を半量ずつ注ぎます。
【3】
仕上げにホイップクリームを盛り、シナモンパウダーを振ります。
〈ミニ解説:質量〉
液体によって、同じ量でもそのものの重さ(質量)は異なります。
ここではシロップ>牛乳>紅茶>ホイップクリームの順に質量が軽くなるため、層を作ることができます。
では、順番を逆にして牛乳→シロップの順に注ぐとどうなるでしょうか?
比べてみてくださいね。
こちらは小学6年生のお姉さんが挑戦。
「牛乳と紅茶が混ざっちゃったけどできた!他の飲み物でもやってみたいな」
子どもはもちろん、大人でも楽しめるサイエンススイーツ。
もっとサイエンスしたい!という方には、学べるサイト『スパイス&ハーブキッズ』もオススメです。
自由研究はこちらもどうぞ。
それでは、楽しい夏休みを!
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