おしゃれに満腹! ハーブ&ナッツで飾る「ガーリックバターおにぎり」
手軽に作れて、身も心も満たしてくれる万能な食べ物といえば「おにぎり」。学校や会社のランチに、公園に遊びに行くときになど、お弁当に登場することも多いでしょう。もちろん、定番のおにぎりもおいしいのですが、スパイスやハーブを使うといつもとちょっと違う味わいが楽しめますよ。
スパイスおにぎりのレシピを考案いただいたのは、論理的でわかりやすい解説が人気の料理家・樋口直哉さん。
樋口さん:スパイスを使用するとはいえ、おにぎり作りは手軽さがいちばん。そこで今回はスパイスと一緒に「炊き込むレシピ」と、炊いたご飯に具材を「混ぜ込むレシピ」をそれぞれご紹介します。あらかじめご飯に味をつけてしまえば、あとは握るだけなので簡単です。いつものおにぎりに飽きた方も、気分転換にぜひチャレンジしてみてください!
アーモンドで食感も楽しく、 「ガーリックバターおにぎり」の作り方
樋口さん:ひとつ目のレシピは炊飯器で作るガーリックバターライスのおにぎりです。ほろ苦く爽やかな香りのオレガノ、にんにく、バターとお米を一緒に炊き込むことで、ピラフのような洋風の味わいに。トマト料理やカレーなど幅広く使えるオレガノは、家庭でも使いやすいスパイスのひとつ。バターなど油脂類と合わせると、風味がより長続きし、時間が経ってもおいしく食べられます。トッピングにアーモンドとパセリをまぶすので、食感も良いですよ。
【1】
米を洗ってザルにあげ、30分ほどおきます。
樋口さん:お米は研ぎすぎると旨味まで削がれたり、お米が割れたりするので、洗う回数は少なめにしましょう。特に粒立ちのよさがおいしさにつながるおにぎりは、研ぐ→すすぐを2回程度行うだけで十分。また今回は、米を浸水させずにザルに上げて吸水させます。“限定吸水”と呼ばれる方法で、表面の水分だけ吸収されるので、パラっとした食感に仕上がります。
にんにくをみじん切りにします。
【2】
炊飯器にお米と、通常の水加減で米2合分の水(分量外)を入れたら、バター、オレガノ、にんにく、塩を加えます。
樋口さん:炊き込みご飯を上手に作るコツは、「具材を入れたらかき混ぜないこと」。かき混ぜると炊きムラができて、お米の芯が残る場合があります。今回のレシピに限らず、ふだん炊き込みご飯を作る際にも気をつけてみてください。
軽く揺らして表面を整えたら、炊飯器の「早炊きモード」で炊きます。
樋口さん:すでにお米の吸水を終えているので、浸水時間が含まれていない「早炊きモード」に設定します。写真のように鍋で炊く場合は、通常のお米を炊くのと同じ火加減で大丈夫です。
【3】
お米を炊いている間に、トッピングに使用するアーモンドを荒く刻みます。バットに移し、パセリと混ぜ合わせておきます。
樋口さん:洋風のレシピなので、トッピングはアーモンドをチョイスしました。ザクザクっとした食感と香ばしい味わいが良いアクセントになります。包丁で刻む以外に、袋に入れてめん棒などで叩く方法も手軽ですよ。
【4】
炊きあがったら軽くかき混ぜて、形成していきます。
お茶碗にご飯を100g入れ、別のお茶碗を重ねて上下に数回振ります。
樋口さん:お茶碗でご飯をふんわりまとめてから手で握ると、崩れにくいのに、食べたときにほろりとほどけるおにぎりを作ることができます。市販のおにぎりメーカーでもOKです。
軽くまとまったら、手に水を軽くつけて三角形に握ります。
樋口さん:握るときはぎゅっと力を込めても大丈夫。100gの量だとちょうど手に収まるサイズ感になるため、三角にしたときほどよい力加減で握ることができます。
【5】
トッピングのアーモンドとパセリを表面につけて完成です。
樋口さん:ひと工夫加えるなら、おにぎりの頂点にひとつまみの塩をのせましょう。ひと口目に塩味のパンチを効かせることで、味のコントラストが生まれ、最後まで飽きずにおいしく食べられます。
ちょっぴり大人の味わい、「レモンスパイスおにぎり」の作り方
樋口さん:2つ目のレシピでは、マスタードシードを利かせた「レモンのチャツネ(塩味のジャム)」と赤缶カレー粉を使った「カレーそぼろ」をご飯に混ぜ込みます。レモンを皮ごと使うことで、ほろ苦さがアクセントになった大人の味わいのおにぎりに。
また、赤缶カレー粉は、甘い香りのするフェネグリークというスパイスがブレンドされているのが特徴的。フェネグリークとマスタードシードは、インドではあらかじめ混ぜて売られているほど鉄板の組み合わせです。ここに、しょうゆを加えて日本人がなじみやすい味わいに仕上げました。
【1】
まずはレモンのチャツネを作ります。レモンは種をとり、縦半分に切ってから薄切りにします。
【2】
フライパンにオリーブオイルとマスタードシードを入れて、弱火にかけます。
樋口さん:マスタードシードは、オイルで炒めることで香りと芳ばしさをより引き出すことができます。熱が加わると焦げやすく、はねるので、弱火でじわじわと炒める方法がおすすめです。
マスタードシードからパチパチと音がするまで炒めたら、一旦火を止めて、切ったレモンを加えます。
再び弱火にかけて、レモンの皮がしんなりするまで2〜3分ほど炒めます。
【3】
次に「カレーそぼろ」を作っていきます。鍋に鶏挽き肉、しょう油、砂糖、酒、赤缶カレー粉を入れ、軽く混ぜ合わせます。
中火にかけ、混ぜながら火を通します。そぼろの水分がなくなるまでじっくり炒めましょう。
樋口さん:そぼろの水分量が多いとおにぎりが握りにくくなります。ただし水分を飛ばし過ぎると焦げてしまう可能性もあるので、水分がなくなりつつも、しっとりした状態が目安です。
【4】
炊きたてのご飯にレモンのチャツネとカレーそぼろを入れ、混ぜ合わせます。
【5】
ラップに塩を少々(指二本でつまんだ量)振ったら、ご飯を60g分のせます。
樋口さん:ラップに塩を振ることで、おにぎりの表面にまんべんなく塩がつきやすくなります。
丸く成形していきます。
海苔を巻いて完成です。
樋口さん:お好みですが、海苔は食べる直前に巻けばパリパリ食感のままおいしく食べられます。カレー味と海苔は意外と相性が良いので、ぜひ試してみてください。
・・・
ガーリックとバターがよく利き、子どもも大人もパクパク食べられる「ガーリックバターおにぎり」。
カレーそぼろご飯にほんのり香るレモンで、飲んだ後の〆にもちょうど良い「レモンスパイスおにぎり」。
どちらも手の込んでいるような見た目なのに、炊き込むだけ、混ぜ込むだけで簡単に作れるのが嬉しいところ。
お弁当にはもちろん、食卓に並んでいても可愛いスパイスおにぎりをぜひ試してみてくださいね。
レシピ・監修:樋口直哉/文:大瀧亜友美/撮影:上原未嗣
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