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エレガントな風味漂う、大人のスパイスいちごジャム【堤人美さん考案】

みなさんは、ジャムを自分で作ってみた経験はありますか?

好きな果物を旬のうちにビンの中に閉じ込め、長期間いつでも味わえる…ジャム作りとは、贅沢な食の楽しみ方の一つなんです。

しかもレシピは意外とシンプルなので、初心者が気軽に挑戦できるのもジャム作りの大きな魅力。何より、作っていると香りも見た目も華やかで気分が高まるし、一手間加えるだけでオリジナリティを出せるのも楽しいんです。

今回、ジャムのレシピを教えて下さったのは、「初めてジャム作りを始めたときからその魅力に取り憑かれている」という料理研究家の堤人美さん。スパイスやハーブをミックスすることで味と香りに奥行きが生まれる、ワンランク上の「大人のいちごジャム」を紹介してくれました。

おなじみのスパイス&ハーブ4種で簡単アレンジ

今回みなさんと作っていきたいのは、ジャムの王道ともいえるいちごジャム。3月〜初夏が旬の果物ですが、美味しい時期はあっという間に過ぎてしまうので、スーパーからなくなる前にぜひ挑戦してほしいところ。

ジャムと掛け合わせるスパイス・ハーブは、ブラックペッパー、クローブ、バニラビーンズもしくはバジル。どれも料理好きならおなじみの定番商品なので、ご自宅に余っているものもあるのでは?

堤さん:ジャムを瓶に詰める前にスパイスやハーブを加えるその一手間で、いちごジャムが大人な味に生まれ変わります。パンはもちろん、チーズやパテと合わせてもかなり美味しいですし、お酒にだって合うんですよ。とても簡単なので、みなさんもぜひ試してみてほしいですね。

使用する材料はこちら。

〈材料〉 
【ジャム/125mlサイズのビン3〜4つ分】 
いちご……2パック(約600g)
グラニュー糖……いちごに対して50~70%(お好みで)
レモン……1個
【スパイス・ハーブ/125mlビン1つに対して】 
S&Bクローブ(ホール)……6粒
S&Bブラックペッパー(ホール)……小さじ1
S&Bバニラビーンズ(ホール)……1/2本
S&B フレッシュハーブ スィートバジル……1片

まとめてたくさん作ることも可能ですが、いちご2パック分程度が失敗することが少なくておすすめなんだとか。この分量なら、125mlサイズのビンの場合、3〜4つ分程度のジャムができ上がります。

それでは早速、レシピを見ていきましょう。

香りと見た目を楽しみながら進めていく、魅惑のレシピ

【1】
まずは前日の下準備として、いちごとレモンを仕込みます。

いちごのへたを手元に気をつけながら取り、ボウルに入れます。大きいものは2等分に。果物に余分な水分が残っていると腐敗の原因となってしまうので、キッチンペーパーなどでこまめに水気を拭き取るのがおすすめです。

使用するいちごの品種は問いませんが、堤さんは酸味のあるものを選ぶことが多いのだとか。

レモンは2等分にし、半量を輪切りにして、いちごと一緒のボールに入れます。残りは翌日に使うので、ラップに包んで冷蔵庫に入れておいて保管してください。

グラニュー糖をふりかけ、常温で一晩おきます。ふりかけるグラニュー糖は、いちごのグラム数の約50〜70%が目安。甘さなど好みもありますが、ジャムをゼリー化させるための成分「ペクチン」がしっかり働くように、堤さんはいちごの重さの70%で入れることが多いのだとか。

前日の下ごしらえはここまで。寝かせている間に、砂糖の浸透圧で果肉と水分が分離していきます。

【2】
ここからは当日編。まずは鍋に厚手のキッチンペーパーか布巾をしき、ビンと水を入れ20分間、煮沸消毒します。

ジャムは保存食なので、菌が繁殖しないようにするための工程は必須。ビンのふたは内側のゴムが劣化してしまうので、最後の3分を目安に、鍋に加えてください。引き上げる時は、ビンのふたに傷が付きサビが発生しないようにシリコン製のトングを使うのがおすすめです。

【3】
ビンを煮ている間に、ジャムの方に取り掛かりましょう。

寝かせておいた【1】をざるでこし、残った水分とグラニュー糖をホーローなどの鍋に入れ、強めの中火で煮立てます。

煮立ってきたらヘラで混ぜていきます。金属製のゴムベラを使用すると雑味が混じってしまうので、できれば耐熱性のゴムベラがおすすめ。鍋もアルミ製のものは酸性に弱いので、できるだけ避けましょう。

ここで注意したいのは、混ぜすぎないこと。堤さんいわく、「鍋の側面にこびりついた砂糖が結晶化してじゃりっとした食感が残ってしまう可能性があるので、底に溜まっている砂糖が溶けていくのを確認しながら、適度に混ぜるのが大事」だそうです。

【4】
とろみがつき100度くらいになったら、レモンをとり除き、いちごを加えます。

透き通るような色味に、期待感がどんどん高まっていきます。

【5】
時々ゴムベラなどで混ぜながら、アクを除いていきます。

良いとろみを見極めて火を止めるのが、ジャム作りを成功させるための大事なポイント。ドロドロになるまで煮てしまうと固いジャムになってしまうので、冷やした小皿にを垂らしてとろみ具合を確認してください。お皿を傾けても垂れ落ちない固さになったら、良い頃合いです。

ちなみに、除いたアクにも活躍の場が…! パッと捨ててしまいそうなところですが、炭酸水やお酒と割ったりすることでフルーティーで爽やかなドリンクを楽しめるのです。この豆知識は知らなかった方も多いのではないでしょうか!?

【6】
前日に切り分けておいたレモンから大さじ一杯分レモン汁を加え、混ぜてから火を止めます。

ここまできたら、実はいちごジャム自体はほぼ完成。甘くてどこか懐かしい香りがしてきます。

【7】
火傷に気をつけながら熱い状態のビンにスパイス・ハーブを詰めていきます。まずはブラックペッパー、クローブから。

バニラビーンズとバジルは、ひとつのビンにどちらを入れるかチョイスしてください。バニラビーンズを入れたジャムはより甘く芳醇な香りが引き立ち、バジルを入れると爽やかな風味になります。

【8】
ジャムをできるだけビンいっぱいに詰めたら、蓋を閉めて逆さにし、真空状態にします。

ここまでの工程で、ついにスパイスいちごジャムが完成。すぐに食べたくなってしまうところですが、ここは少し我慢を。3日以上常温で置いておくことで、砂糖が中で落ち着き、スパイスの香りや味がジャムに浸透してくれます。ちなみに、長くて1年くらい保存できると言われるジャムですが、美味しく食べられる期限はおよそ3ヶ月です。

ついに完成! エレガントな大人のいちごジャム

今回は小ぶりでかわいい食パンに、マスカルポーネチーズとブラックペッパーを添えていただききました。

甘いジャムの奥からゆっくりほのかに香るスパイスと、凛とした味わい。ジャムの基本的な工程にスパイスを足すだけで、エレガントな品が漂います。

堤さん:私のジャムはごろっとした果肉を残すところが特徴なので、食感も楽しんでいただけると嬉しいです。

ジャム作りは旬の果物を選んでつくる楽しさがありますが、保存することで旬がすぎても美味しく果物を食べられるのもいいところ。簡単なので、みなさんもぜひ試してみてくださいね。

レシピ・監修:堤人美 / 撮影:上原未嗣

堤人美さん プロフィール
京都生まれの料理研究家。テレビやCMのフードコーディネートに長年携わる。家庭料理からハレの日のごちそう、和洋中にスイーツまで幅広いジャンルに造詣が深い。子どもの頃からジャム作りが好きで、毎シーズン様々なフルーツを使ったジャム研究を続けている。
著書:『挽き肉料理』(グラフィック社)、『堤人美の 旬を漬ける保存食』(NHK出版)など

果物の旬を逃してしまって、好みのジャムが作れない! という方にはエスビー食品の「ボンヌママン」シリーズのジャムが手軽でおすすめ。家庭で受け継がれる手作りジャムをコンセプトにした約20種類から、お気に入りを見つけてみてください。

〈知ってる?スパイスとハーブのこと〉
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