今年のバレンタインは甘さ控えめ。生カカオの芳醇な香り広がるローチョコレートレシピ
もうすぐバレンタインデー。パートナーや家族、友人や自分のために、チョコレートを手作りする方も多いのでは?「今年はどんなチョコにしよう」と、考えるだけでワクワクしますよね。
チョコレートと言えば、話題の「ローチョコレート」をご存知ですか?
元となっているのは、近年、健康や美容への意識が高い方たちの間で流行したローフード。ローフードの“Raw”は「生」を意味し、48℃以上に加熱処理されていない生の野菜や果物、ナッツ類を指します。生で食べることで、熱に弱い酵素や栄養素を効果的に摂取することができるのです。
そんなローフードを愛する人たちの間で注目されているのが、ローチョコレート。牛乳や砂糖を使っていない、自然な甘さと芳醇なカカオの香りが特徴です。
そこで今回は、ローチョコレートにエスビー食品のスパイス&ハーブを合わせた「アップルシナモンローチョコレート」と「ゆずローチョコレート」のレシピを紹介します。
このレシピを考案したのは、札幌のローフード専門店「ローフードカフェLOHAS」の創設者で、ローフードシェフ・土門大幸(どもんひろゆき)さん。アメリカでローフードを学び、現在は全国各地で講演活動やローチョコレートの料理教室を行うなど、ローフードの普及に努めています。
「ローチョコレート」とは?
土門さん:ローチョコレートの「Raw」は「生」という意味ですが、一般的に生チョコレートと呼ばれる柔らかいチョコレートとはまったくの別物です。生チョコレートには生クリームが使われていますが、ローチョコレートは乳製品を使っていません。硬さは一般的な板チョコと同じくらいで、ミルクが入っていないぶん、くちどけはやや遅いのが特徴です。
——そもそも、どんなチョコレートを「ローチョコレート」と呼ぶのでしょうか?
土門さん:ローチョコレートとは、「加熱していない生カカオを使用して作ったチョコレート」のことを指します。普通のチョコレートは、カカオ豆を焙煎して油脂とパウダーに分離させます。この工程を48℃以下で行ったものが生カカオです。
48℃は酵素が活性化するかしないかの分かれ目。48℃以上の熱を加えると、酵素は活性化しません。その点、ローチョコレートに使うカカオは48℃以下の低温で加工しているため、酵素が活性化しているのです。
チョコレートは、カカオ油脂とカカオパウダーを合わせて結晶化する「テンパリング」という工程を何度か経て、なめらかな塊になります。しかしローチョコレートは、テンパリングを行うときも48℃以上の熱を加えません。
——48℃以下の低温加工にこだわったチョコレートなんですね。
土門さん:ローチョコレートにも色々な商品がありますが、私のオリジナルローチョコレート「Vivo」は、砂糖や乳製品を使っていないため、乳製品にアレルギーがある方や、ヴィーガンの方も安心して食べることができます。甘味料はローアガベシロップとキシリトールを使用しています。ローアガベシロップとは、アガベというリュウゼツラン科の植物の樹液で、メープルシロップに似たものです。
アクセントは「アップルシナモン」&「ゆず」
——今回、土門さんが考案したレシピは「アップルシナモンローチョコレート」と「ゆずローチョコレート」です。レシピのポイントはどこですか?
土門さん:りんごのチョコは、海外で冬に人気のアップル×シナモンの組み合わせにしました。ゆずのチョコは、乾燥ゆずとゆずパウダーを両方使うことで、より香り高く仕上げています。
——それでは、作り方を教えていただきましょう。
アップルシナモンローチョコレートの作り方
土門さん:ローチョコレートは、海外の食品を扱っているお店やインターネットなどで購入することができます。今回は、カカオ70%のダークを使用しました。鍋とスパチュラはどんなものでも大丈夫。モールドは一口サイズのものではなく、ある程度の面積があるものを選んだほうがトッピングしやすいです。
【1】
まずは材料のカットから。ローチョコレートを包丁で細かく刻みます。
りんごは3〜4㎜くらいのダイス状にカットし塩水にさらします。ドライアップルを使用する場合も、同じくらいのサイズに切りましょう。
土門さん:りんごは時間が経つと変色するため、塩水にさらすことで見た目のきれいさを保てます。
【2】
刻んだチョコレートを湯煎で溶かします。約80℃のお湯でゆっくり時間をかけて溶かしましょう。このとき、ローチョコレートの温度が48℃を超えないように気をつけます(温度計を使うと確実です)。
土門さん:あまり熱を加えないため、普通のチョコレートほどサラサラに溶けません。スパチュラでかき混ぜると、もったりした重めの手応えになります。ちなみに湯煎に使うお湯は、沸騰した1リットルのお湯に、水温20度くらいの水300ミリリットルを足すと80℃くらいになりますよ。
【3】
チョコが溶けたら、スパチュラなどを使ってはみ出ないようにモールドに流し込みます。チョコは固まるのが早いので、すばやく流し込みましょう。
土門さん:普通のチョコレートほどサラサラしていないので、流し込むのに手間取るかもしれません。モールドをトントン叩いてチョコを広げると、平らになりますよ。
【4】
ダイス状にカットしたりんごと砕いたアーモンド、有機シナモンをトッピングします。一ヵ所にかたまらないように、全体にまんべんなくまぶしましょう。
【5】
冷蔵庫で数時間冷やして、固まったらモールドから取り出します。これで完成です!
土門さん:生のりんごの場合、賞味期限は冷蔵保存で4~5日。ドライアップルを使う場合はもう少し長くなりますが、なるべく早めに召し上がってくださいね。
ゆずローチョコレートの作り方
土門さん:カカオニブは、カカオ豆を砕いたもの。濃厚なカカオの味と、カリっとしたナッツのような食感を楽しめます。輸入食品店や製菓材料店、チョコレート専門店などで取り扱いがあります。
作り方は「アップルシナモンローチョコレート」とほとんど同じです。【4】のトッピングだけが違い、S&B香りの逸品ゆず、S&B旬の香り きざみゆず、カカオニブをトッピングします。
土門さん:和のイメージが強いゆずですが、意外にもチョコとの相性はばっちり。たっぷりトッピングしても大丈夫です! ゆずの他には、いちじく、レーズン、ゴジベリーなどもローチョコレートに合います。
「おつかれさま」と、自分へのご褒美にも
とっても簡単にできた「アップルシナモンローチョコレート」と「ゆずローチョコレート」。
「アップルシナモンローチョコレート」は、甘さ控えめのチョコとりんごとシナモンの相性が抜群。りんごの優しい歯ざわりと、ナッツのカリっとした食感が楽しい一品です。
「ゆずローチョコレート」は、ゆずの香りがアクセントになった、とても上品な味です。これなら甘いものが苦手な人でも食べられるでしょう。
土門さん:生カカオを使用しているローチョコレートは、活性化した酵素が入っており、砂糖を使用していないため食べても罪悪感を感じにくいでしょう。また、やや高価なので、お仕事を頑張っている自分へのご褒美としても食べてほしいです。生カカオの芳醇な香りを、スパイスと共に楽しんでください。
2月14日のバレンタインチョコをきっかけに、ローフードを生活に取り入れるようになれば素敵ですね。
レシピ・監修:土門大幸/ 文:吉玉サキ /撮影:土門大幸
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