香ばしいカリフラワーに、甘い香りと刺激。「ナツメッグカリフラワーの半熟卵チーズ」#旬とスパイス
あんなに痛いほど降り注いでいた太陽の光。夕方にはすっと熱を引くように、涼しい風が吹いて美しい夕暮れが見られるようになりました。
食べたくなる野菜も、ぴかぴかの夏野菜からシックな色合いの秋野菜に。少しこっくりとした味わいも楽しめるようになってきました。
今回登場する食材は「カリフラワー」。真っ白な姿は、どことなく雪を想像させます。一年中並んでいる野菜ですが、本来の旬は寒くなってくるこれからの季節です。カリフラワーを食べる時のレパートリーは、昔は茹でるか蒸すかの2択しかなかったのですが、焼いたり揚げたりして食べるおいしさに気づき、もっと好きになった野菜です。
合わせるハーブは「ナツメッグ」です。ハンバーグを作るときにお馴染みのスパイスですね。ナツメッグのぴりっとした香り、ほのかな苦みと甘い風味は、カリフラワーにもぴったり。少し加えるだけでぐっと複雑な味わいを演出してくれます。そして卵とチーズも、ナツメッグとよく合う食材です。
多めのオイルでじっくりと焼いたカリフラワーは驚きのおいしさ。
さあ、さっそく作ってみましょう。
「ナツメッグカリフラワーの半熟卵チーズ」
カリフラワーを半分に切り、フライパンにオリーブオイル大さじ1と入れ、蓋をして中火で5分熱します。時間が経っても焼き色が薄かったら、きっちりと焦げ目がつくまで焼きましょう。
裏返し、オリーブオイルをさらに大さじ1足し、カリフラワーの丸い部分をフライパンのヘリに沿わせて、蓋をし、弱目の中火で再度5〜6分中火で焼きます。時々フライパンに接している部分を変えましょう。根本の部分は、カリフラワーを立てて蓋をし、弱目の中火で5〜6分中火で焼きます。
全体にまんべんなく塩小さじ1/4を振ります。カリフラワーから落ちちゃっても大丈夫!
油部分にナツメッグパウダーを入れ、弱火に切り替え、油をカリフラワーにまんべんなくかけていきます。
この時にカリフラワーを裏返していき、まんべんなく火を入れていくイメージです。カリフラワーはもともと生でも食べられる野菜なので、好みの柔らかさに仕上げましょう。爪楊枝を刺して、確認するのがおすすめです。焼き上がったカリフラワーを油ごとお皿によそっておきます。
フライパンの汚れと油をキッチンペーパーで拭き取り、フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱します。卵を割り入れて、蓋をせず目玉焼きを作りましょう。
白身の部分にチーズを乗せて弱目の中火に切り替え、チーズが溶けるまでじっくり焼きます。塩は黄身にむかってひとつまみ振ります。
目玉焼きをカリフラワーがのったお皿に盛り付け、白胡椒を振りかければ完成です。
かりっと焼き上がったカリフラワーと、チーズがのった目玉焼き。それにナツメッグの甘く芳しい香り。おいしい匂いが漂っています。さあ、どうぞ召し上がれ。
カリフラワーを切り分け、黄身を崩しながらひとくちに……!
ざくっとした食感のカリフラワーに、とろとろの黄身が絡みます。チーズは焼けてパリパリした部分ととろっとミルキーな部分、どちらの食感も楽しめておもしろい。スパイシーなナツメッグが風味のアクセントになって全体を引き締めます。ナツメッグはチーズフォンデュに使われることも多いと言いますし、納得の組み合わせです。文句なしのおいしさ!
味の変化を楽しみたい時には、一緒にレモンをどうぞ。これがまた合うんです。
もし何人かでシェアをする場合は、焼いてから切り分けてもいいですし、焼く前にあらかじめ大ぶりにカットしてもかまいません。コツは多めのオリーブオイルできっちり焦げ目をつけること。それによって、カリフラワーの新しいおいしさが引き出されます。
淡白な味わいと思われがちなカリフラワー。しかし、この料理を食べると強い甘味をダイレクトに感じられます。どこか特別な風味になるのは、ナツメッグのおかげです。私のレシピで「カリフラワーのベシャメルソース」というものがありますが、実はこれもナツメッグを一振りするとおいしいのです。カリフラワーの白色に、ナツメッグの色が映えるのもうれしいですね。
そんなカリフラワーとナツメッグならではの組み合わせを、ぜひ楽しんでください。