ローレルで白菜もよそいきの味。「とろとろ白菜のクラムチャウダー」#旬とスパイス
水分をたっぷり蓄えた真っ白な白菜は、透明感があり光り輝いて見えるほど。冬の雪のような清らかさがあります。
最近はスーパーでも1/8カットなども売られて、ぐっと買いやすく、使い切りやすくなりましたね。
白菜は生で食べてもしゃきしゃきとみずみずしくおいしいものですが、とろりと煮込むとほかほかと温まるごちそうになります。寒い日の夜の食卓にぴったりです。
白菜から出るおだしは、天然のブイヨン。そこに「ローレル」が合わさると、香り高く洋風のスープが簡単にできるのです。
ローレルとは月桂樹の木の葉のこと。私はこのハーブが大好きで、必ず常備しています。
洋風のものはもちろん、カレーやビリヤニにもよく使われており、あるとないとでは大違い。縁の下の力持ちです。
強い香りとは裏腹に少し控えめな佇まいですが、勝利の象徴の木であり、ギリシャ神話でお馴染みの葉の冠はこのローレルで作られているのです。
今回ご紹介するレシピのコツは、先に野菜だけを蒸し煮にしてから、アサリをワイン蒸しすること。
バターと小麦粉を練って作るブールマニエで、とろみをつけながら牛乳を入れて優しく温めると分離も防げます。
一つの鍋で、具がたっぷりのなめらかなとろとろスープができますよ。
「とろとろ白菜のクラムチャウダー」
初めに、アサリを砂抜きしておきます。容器に「砂抜き済み」と書いてるものでも、砂抜きは念入りに行いましょう。じゃりっとしたら悲しいですものね。
海水と同じ約3%の塩水(200mlの水に小さじ1の塩)を作り、バットの上にザルを置き、アサリを並べ、頭が少し出るくらい30分以上浸しましょう。
アルミホイルか新聞紙を載せて暗い状態を作っておくと、よく砂を吐き出します。
アサリが砂を吐くのを待つ間、野菜を切って蒸し煮しましょう。どの野菜から切っても構いません。切ったそばから、どんどんお鍋に入れていきましょう。
白菜は縦に切れ目を入れてから横に切っていくと、大きめの角切りができます。葉っぱも同様に切ります。
じゃがいもは皮を剥いて角切り、ベーコンは細切り、しめじは石突を取り裂きます。お鍋に具材を全て入れたら、S&B ローレル(ホール)とお塩を入れてひと混ぜして蓋をします。
中火で熱して、沸騰したら弱火に切り替え、15分蒸し煮します。
お野菜を蒸し煮している間に、砂抜きしたあさりを洗い、ザルにあけ水気を拭いておきます。アサリの殻や蝶番のところもよく洗ってくださいね。
15分後のお鍋の中の様子です。すっかりカサが減りました。
あさりを具材の上に並べて、白ワインをかけ、蓋をして、中火で4分蒸し煮します。
その後、蓋を開けて、1分熱して白ワインのアルコールや酸の香りを飛ばし火を止めます。
次はとろみつけのブールマニエを作ります。
これを知れば、シチューやホワイトソースのとろみつけも簡単です。
バターと小麦粉を20gずつ、耐熱ボウルに入れて、600Wで40秒加熱します。小さなゴムベラやスプーンなどで、ぐるぐるとなめらかになるまで手早くかき混ぜます。
完全にクリーム状になったらブールマニエの出来上がりです。
あさりを片方に寄せて、火をつけずに牛乳を注ぎます。
牛乳をブールマニエのボウルに注ぎ溶かしながら練っていきます。マヨネーズ程度のとろみになったら、お鍋に入れましょう。
さて、ここからが重要です。
「ぼこぼこと沸騰させない」。これが、絹のようになめらかに仕上げるコツです。
強火で沸騰させてしまうと、分離してざらっとした口当たりになってしまいます。ここだけは注意深くお鍋を見守りましょう。
中火で優しくかき混ぜながら一煮立ちさせます。
ふつふつと沸騰したら、火を止めましょう。これで完成です。
とろとろでなめらかなチャウダーは、舌の上に溶けていきます。
ミルクとバターがちょうどいい濃厚さ。
後味にローレルの香りが鼻を抜けていき、贅沢な気持ちになります。白菜にきのこと、旨みのある食材がたっぷり入っているので、複雑な美味しさです。
まるでレストランのような一品になったのは、ローレルのおかげ。これからの季節にぴったりの、体も心も温める「とろとろ白菜のクラムチャウダー」。お料理している時もふくふくとした気持ちになりますよ。
※2022年12月26日(月)文言訂正
「バターと小麦粉を20gずつ、耐熱ボウルに入れて、600Wで4分間→40秒加熱」に訂正いたしました。