今年の夏はキッチン帰省。愛しの故郷の味と風土
改札の先に待つ家族の姿。空港からのまっすぐな道。久しぶりに会う親戚や友人のこと。お盆の帰省で思い出す景色は、やがて落ち着く実家へ――。
ところが、今年の夏もそれが叶わず。となると、田舎の味を恋しく思う人も多いのでは。そこで、自宅のキッチンで帰省気分を味わうのはどうでしょう。お取り寄せとはまた違う、故郷に想いを馳せながら作るひとときをすごしてみませんか。
今回は三大都市圏から遠く離れた北海道を取り上げます。北海道出身、地元の料理番組をはじめ札幌でご活躍する坂下美樹先生に、オンライン取材で北海道の郷土と料理についてお聞きしました。そして、道産子にはもちろん、そうでない方にもおいしくいただけるレシピを教えていただいたので、ぜひ最後までご覧くださいね。
北海道の夏の風物詩といえば?
オンラインで取材をさせていただきました。先生、北海道出身の人が、夏に帰省したらやりたいことはなんですか?
道外の人はご存知ないかもしれませんが、例年であれば増毛の方へ甘エビの食べ放題に行ったり、積丹へ行ってウニを食べたりシャコタンブルーを眺めたり。豊富で新鮮な魚介も、息を呑む雄大な景色も、やはり北海道ならではです。
甘エビの食べ放題! それは恋しくなりそうです。
また新型コロナウイルスの影響でやはり中止になっていますが、札幌では大通公園などビアガーデンも有名です。他にはご家庭でBBQも夏の定番。といっても、メインはホタテ、牡蠣、イカなど海鮮です。鮮度のいい食材が手に入りますから。
BBQと聞いて思い浮かべる食材に、土地柄がみえてくるのも興味深いです。
北海道は新鮮な素材を生かした料理が多く、旬の食べ物から季節が感じられます。お盆の時期が旬のものと、年末年始あたりの冬に旬を迎えるものが違っていて、また帰省の楽しみになっていると思います。
そうですね。では、夏の時期の食材といえば?
今回ご紹介するレシピのひとつ目は、イカを使ったもの。初夏から秋の終わりまで北海道の各地で水揚げされます。そのイカをそのまま刺身にしてもおいしいのですが、ちょっとだけ手を加えて、凍った食感が夏にぴったりのルイベにしていただきます。
イカの身もわたもしゃりしゃりと! 食感×風味でおいしさ広がる〈イカゴロルイベ〉
ルイベといえば、元々は獲った鮭などを雪に埋めたり、軒先に吊るし外気にさらしたりして冷凍保存したのが始まり。北の大地が生み出す天然の冷凍庫のパワーたるやですね。そして、厳しい冬を乗り切る貴重な栄養源として、凍った身を削って食べるようになりました。
メジャーなのは鮭のルイベですが、今回は夏が旬のイカで作ります。冷たい口当たり、少ししゃりっとするイカの身の食感、そして口の中でふくらむわたの風味。クセになる味わいです。
〈材料〉 2人前
イカ 2杯
【A】
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
S&Bきざみ青じそ 小さじ2
S&B本生本わさび 適量
〈作り方〉
【1】イカはわた袋を破れないように取り出す。
【2】胴はえんぺらと軟骨を取り除いて開き、水洗いする。わた袋はごろ以外の部分を取り除く。それぞれ塩少々をまぶす。
【3】【A】を保存用ポリ袋に入れて、そこにわたを塩をふきとって入れる。胴は塩を振ったままざるにのせて、それぞれ冷蔵庫に一晩入れる。
【4】胴の片側に切り込みを浅く入れて、ラップの上に広げてごろをのせて端からしっかりと巻き、冷凍庫で凍らせる。
【5】完全に凍ったら、包丁で一口サイズに切り、S&B本生本わさびを添える。
海と大地の恵みを一皿で。素材を引き立てる塩味〈オホーツク塩焼きそば〉
オホーツク海で獲れるホタテと、北海道北見市の玉ねぎを使ったご当地グルメとして生まれたメニューです。玉ねぎの生産量で北海道は日本一。日照時間の長さと降水量の少ない風土が、たくさんの玉ねぎを育ててくれます。
そこに、じゃがいもや人参なども畑チームとして入れ、素材の味を生かす塩ベースの味付けをすれば、にぎやかな焼きそばのできあがりです。
〈材料〉 2人前
焼きそば用蒸し麺 2玉
ほたて貝柱 6個
じゃがいも 2個
にんにく 1片
玉ネギ 1/2個
人参 1/4本
にら 1/4束
もやし 1/2袋
アスパラ 3本
李錦記 鶏丸ごとがらスープ 小さじ2
S&B味付塩こしょう
〈作り方〉
【1】麺はほぐしておく。
【2】じゃがいもは皮をむいて一口大に切って、水にさらし、耐熱ボウルに入れてラップをふわっとかけて電子レンジ(600W)で3分加熱しておく。
【3】にんにくはみじん切り、玉ネギは繊維に沿って薄切り、人参は短冊切り、にらは5cmの長さに切り、もやしはひげ根を取っておく。アスパラははかまをとって斜め切りにする。
【4】フライパンにサラダ油大さじ1、にんにくを入れて炒め、香りがでたら、玉ネギ、人参、アスパラ、じゃがいも、ほたてを加えて3分炒め、味付塩こしょうをふる。
【5】ほぐした麺を加えて2分炒め、もやしを加えてさっと炒め、李錦記鶏丸ごとがらスープを加えて、仕上げににらを加えて、味付塩こしょうで味を調える。
一緒の時間をつくろう
故郷を離れることで、いかに新鮮でおいしい食材を食べていたのかわかったという経験がある人も多いのでは。そんなことを改めて思い出したり、食を育む海や畑の景色に思いを馳せることで、食べ物の味わいも増してくるのではないでしょうか。
また、もしお互いスマホやPCを持っているなど条件が許せば、郷土料理の作り方を田舎のご家族にオンラインで教わるのはいかがですか? たとえキッチンは離れていても、一緒にすごす時間を作ることができます。この記事が今年なりの夏の過ごし方のヒントになればうれしいです。
みなさんの故郷の味はなんですか? よろしければコメントで教えてください!
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