「梅とハーブのはちみつジンジャーシロップ」ハーブの香りとはちみつ、ぴりっと新生姜。梅しごとにピンク色の甘い喜びを#旬とスパイス
2月ごろから私はずっと大忙し。なぜかというと、6月の梅の季節までにレシピをたくさん作るからです。皆さんが梅しごとをする時季に合わせて発表できるように、まだ春が訪れる前から「梅」のことを考え続けていました。
さて、今年の梅しごと、皆さん何を一緒に作りましょうか!
今年、皆さんに紹介したいのが、フレッシュハーブのローズマリーとはちみつを使った梅シロップです。
ローズマリーの清涼感たっぷりの香りは梅の酸味にぴったり。この2つを組み合わせることで夏にぴったりの爽やかな梅シロップができます。フレッシュのハーブは洗っているそばから、空気をローズマリーの香りに染めて幸せな気持ちになるんです。
この組み合わせだけでも十分美味しいのですが、新生姜のスライスをいれるとぴりりと刺激が加わりこれもまた良い! そして、さらに追いハーブをしても…。
これであなたも梅とハーブのケミストリーに魅了されていくことでしょう。それに、生の梅はとってもかわいい。
ハーブを組み合わせた時の、生き生きと輝く梅の味…! さあ早速作っていきましょう。
「梅とハーブのはちみつジンジャーシロップ」
下準備として、ローズマリーと梅と生姜を洗い、水気を拭き取りよく乾かします。水気はかびの原因です。必ず綺麗にキッチンペーパーで拭いておきます。容器も消毒して水気を拭き取っておきます。
梅のへたを爪楊枝で取ります。このくらいの傷や凹みは全く問題ありません。へたをとったところもキッチンペーパーでよく拭っておきます。
新生姜はスライサーで薄切りにします。包丁で切っても大丈夫ですよ。清潔な瓶に、梅、ローズマリー、新生姜を入れます。順番はどれが先でも構いません。
はちみつを全量入れます。
少しゆすって、はちみつと他の材料を馴染ませます。清潔なスプーンなどでひと混ぜしてもいいですが、表面の梅と生姜、ローズマリーになんとなくはちみつが馴染んだら大丈夫です。さあ、これで出来上がり! あとは1週間待つだけです。
ちなみにこのシロップ、いろんなハーブを足したっていいんです。上の写真はフレッシュのタイムを使ったパターン。お好みで試してください。
さて、これが1週間後の様子です。だいたい1週間から10日ほど経ったら飲むことができます。シロップが減って、空気に触れているとカビやすくなるのでハーブは飲む時にお箸などを使って抜いてしまってもいいですし、もう少し香りを楽しみたかったら中に押し込むようにしてください。新生姜は洋風ガリのような甘酢漬けになっています。私はそのままぽりぽりついでにつまんでいます。
飲み方は1:3でお水や炭酸水で割ったり、ビールに入れたりするのもおいしいです。マリネやピクルス液としても使えます。その場合は少し、お塩を足してみてください。
はちみつで作る梅シロップは、実は梅初心者の人におすすめです。最初から液状なので、お砂糖で作るより、かびが起こりにくいです。今回はフレッシュハーブを使いましたが、シナモンスティックやカルダモン、クローブ、八角などを入れるのもおすすめです。
スパイスハーブを使って、ぜひお好みの梅シロップを作ってみてくださいね。
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さて、3年にわたり連載してきました「旬とスパイス」ですが、今回が最終回になります。私にとって、「旬とスパイス」のレシピ作りは心から楽しく、毎回自分で作っておきながら試作の味見をしては、そのおいしさにびっくりしていました。
それはハーブとスパイスと素材のかけ算によって生まれる味や香りが、いつも想像以上のものだったからです。この連載で作ったものは、いつもパズルのようにぴったりはまる感覚を得られていました。やりがいがありとっても面白かったのです!
この連載を持たせていただいたことは私の料理家人生にとって幸運でした。いつも愛情を持って見守ってくださったエスビー食品さん、関係者の皆様。そして毎回、毎回、楽しみに読んで作ってリピートしてくださった読者の皆さま! 本当にありがとうございました。これからも、スパイス&ハーブを一緒に楽しみましょう。
今井真実