スパイス&ハーブで、そそるヴィーガンレシピ
今回のテーマはヴィーガン料理。私の周りに聞くと「ヴィーガン料理って体によさそう!」という一方で「肉も卵もないと味気ないかも?」という声も。そこで、ご自身もヴィーガンの食生活を楽しみ、ヴィーガン料理を紹介している料理研究家の庄司いずみ先生に、おいしくて、無理せず続けられるヴィーガンレシピを教えてもらいました。スパイスとハーブを効かせたレシピで、そのイメージを覆します!
〈そもそもヴィーガンって?〉
何を食べるかを軸に分ければ、ヴィーガンはベジタリアンの一種です。
ベジタリアンの中には魚はOKという人や、牛乳や卵などは許容する人など、動物性食材に対してグラデーションがあります。また、普段は菜食だけど外食時には肉も食べるなどフレキシブルな人はフレキシタリアンと呼ばれます。
そうした中で、ヴィーガンとは100%植物性食材のごはんを食べる人といえます。
〈なぜヴィーガニズムを実践するの?〉
ヴィーガンが非動物性の食材を選ぶのは動物の搾取や苦痛を避ける考え方からスタートしています。そこから広がり、多くの生き物が住む森を守るため、木々を切って牧草地を広げるべきではないという考えや、そもそも家畜が出すメタンガスを減らしたいと考え実践する人も。もちろん自身の健康のために動物性食材を避けたい人や、アレルギーのためという人もいます。
さらには食事にとどまらず、動物を利用しておらず、かつサステナブルな日用品や衣類を選ぶなど、実践の対象は生活全体に広がっています。
倫理的、環境的、そして健康的にも選ばれるヴィーガン料理。その魅力について、庄司先生はどうお考えですか?
「エシカルでヘルシーということもポイントですが、なによりおいしいことが大切。どんなにいいことでもストイックな努力だけでは続きません。ああ、野菜ってこんなにおいしいんだ、野菜だけでもこんなにうまみがあるんだといった新鮮な驚きで、ヴィーガン料理を好きになってくれる人が増えたらうれしいですね」。
お腹が満足しないと実践し続けるのは大変ですものね。ぜひ、おいしいレシピ教えてください!
〈作ってみよう! ヴィーガンレシピ〉
それではスパイスとハーブの力を活かしながら、野菜たちをおいしく、食欲をそそる料理に変身させましょう。もしも香りが出せる画面があるならば、この香りを分けてあげたいくらいです!
ひよこ豆とハーブのミートボール風(調理時間:20分)
ヴィーガン料理のメインディッシュは、水煮豆など身近な素材でも簡単に作れます。豆をマッシュして肉団子風にしたり、みじん切りにしてハンバーグ風にすると、旨味も甘味もあり、食べ応えも十分で肉とは違う満足感が生まれます。もちろん、肉のように強烈な旨味や肉汁はありませんが、その分、スパイスやハーブを効かせるのがおすすめ。ソーセージの香りづけにも使われるセージの香りをほんの少し加えることで、不思議と肉料理の様な風味が生まれ、パンチの効いたおいしさになります。
ケチャップなどで食べてもいいですが、好みのスパイスと塩を混ぜるだけの手作りスパイスソルトを数種類添えると、飽きずにいくつでも食べられます。
〈材料〉2人前(10個分)
【A】
ひよこ豆(缶詰のもの) 200g(マッシュする)
玉ねぎ 100g(みじん切り)
にんにく 1片(みじん切り)
S&Bセージ(フリーズドライ) 小さじ1/2
S&Bパセリ 大さじ1
パン粉 30g
塩 小さじ1/2
小麦粉 大さじ1
サラダ油 適量
S&Bクミン(パウダー)、S&Bチリパウダー、S&Bブラックペッパー、塩 各適量
〈作り方〉
【1】Aをボウルでしっかり混ぜ、団子型にまとめます。
【2】熱した油で【1】を揚げます。
【3】クミンパウダー、チリパウダー、ブラックペッパーをそれぞれ塩と混ぜます。スパイスはお好みでアレンジしても。これを【2】に添えて盛りつけます。
大豆ミートのスパイシータコライス(調理時間:30分)
最近スーパーでも見かけるようになってきた大豆ミート。使い方がわからないという方もいますが、水で戻すだけ! しかも顆粒状なら3分もあれば戻るから簡単です。少し大豆の香りが強いものもあるので、匂いが気になるならたっぷりの水で戻し、しっかり水気を絞ってから使います。
さらに、素揚げしてから調理するとボリュームが出る上、臭みも取れて一石二鳥。揚げるのが面倒ならたっぷりの油で炒めるだけでもOKです。
大豆ミートの風味を和らげさらにおいしくするには、スパイスと組み合わせるのがおすすめ。例えばタコライスなら、いろいろなスパイスがミックスされているチリパウダーを合わせ、さらにクミンやオレガノなどを足して自分好みの風味に仕上げるといいですね。
〈材料〉 2人前
大豆ミート(顆粒状) 20g(水に3,4分浸して戻す)
サラダ油 適量
豆乳 大さじ2
ご飯 2膳分
S&Bクミンシード 小さじ1/2
【A】
玉ねぎ 1/4個(50g、粗みじん切り)
にんにく 1片(みじん切り)
サラダ油 適量
【B】
椎茸 30g(粗みじん切り)
ごぼう、にんじん 各15g(みじん切り)
ピーマン 1個(30g、粗みじん切り)
トマト 小2個(300g、ざく切り)
くるみ 20g(から煎りしてざく切り)
【C】
S&Bチリパウダー 小さじ1/4
S&Bオレガノ 小さじ1/4
S&Bクミン(パウダー) 小さじ1/4
醤油 大さじ1
【トッピング】
レタス 1枚(細切り)
トマト 100g(1センチの角切り)
パクチー 適量
〈作り方〉
【1】戻した大豆ミートはしっかり水気を絞り、サラダ油を熱して素揚げします。
【2】 油とクミンシードを入れて中火で熱し、パチパチしてきたらAを加えます。
【3】玉ねぎが透明になったらBの野菜を入れてさらに炒めます。
【4】野菜がしんなりしたらトマトとくるみを入れて炒め煮し、トマトが煮くずれてきたら、【1】とCを入れ、トマトが煮くずれて煮詰まってくるまで炒め煮します。
【5】豆乳を加えて全体を混ぜ、火を止めます。
【6】皿にごはんを盛り、トッピング用の野菜と共に盛りつけます。
干しきのこのスパイスボロネーゼ(調理時間:20分)
ヴィーガン料理の主役素材として、きのこを使うのもおすすめのテクニック。大豆ミートとは違った存在感、歯応えもあるし、風味もいいのが魅力です。
このレシピでは、あらかじめ軽く干すことで水分を飛ばして風味をさらにアップ。また、ちょっと干すだけでも歯応えもよくなりますし、その後素揚げすればよりジューシーに。
また、より複雑な風味を出すためバジルやブラックペッパーなどのスパイス類は、肉のボロネーゼの時より気持ち多めに使っても!
*調理時間にはきのこを干す時間は含まれていません。
〈材料〉 2人前
きのこ色々 合わせて300g(粗みじん切り)*エリンギ、椎茸、舞茸を使用 玉ねぎ 50g(粗みじん切り) サラダ油 適量
スパゲティ 150g(袋の指示通りにゆでる)
塩 適量
S&Bバジル 小さじ1/2
S&Bブラックペッパー(あらびき) 小さじ1/4
S&Bレッドペッパー(パウダー) 小さじ1/8
【A】
オリーブオイル 適量
にんにく 10g(みじん切り)
【B】
トマト缶 130g
トマト 100g(ざく切り)
赤とうがらし 1本(小口切り)
塩 3g
しょうゆ 5ml
トマトペースト 10ml
〈作り方〉
【1】きのこ類を2時間ほど干します。
【2】油を熱して【1】を素揚げします。
【3】Aをフライパンに入れて熱し、香りがたったら玉ねぎを入れ、透明になるまで炒めます。
【4】【3】にBを入れて沸騰させながら、トロリとなるまで5分ほど炒め煮し、好みのスパイスを加えます。
【5】【4】に【2】を加えて3分煮て、水分が煮詰まったら火を止めます。
【6】塩を入れた熱湯でスパゲッティを袋の指示通りに茹でます。
【7】【6】の湯をしっかり切り、【5】のソースと共に盛りつけます。
「体にはよさそうだけど……」と思っていたあなた、おいしそうなレシピにイメージが変わったのでは? 義務感ではなく、おいしいから続くというのが大事。ぜひお試しくださいね。感想もお待ちしています!
外食が減った今、毎日毎日三食作るって大変。でも、自分がコントロールできる食事が増えたと考えれば、ヴィーガン生活を始めるのにいいタイミングかもしれませんよ。
次回も気になるトピックを探っていきます。#健康な食卓を考えるをどうぞお楽しみに!
〈知ってる?スパイスとハーブのこと〉
お読みいただきありがとうございました。
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