見出し画像

次に来るクラフト食材!? スパイスで自由自在のアレンジが楽しい手作りクラフトバター

作り手のこだわりを存分に活かして少量生産されるクラフト食材。ビールやコーラ、チョコレートなどの他にも、「クラフトバター」があるのはご存じでしょうか?

過去にエスビー食品noteでご紹介したクラフト食材の記事はこちら。
【大人の自由研究】この夏はクラフトビール×スパイスの魅惑のペアリングを探そう
https://note.sbfoods.co.jp/n/necd5a9f8b9fe 
透明なのにコーラ !? フルーティーなクラフトコーラを作ろう!
https://note.sbfoods.co.jp/n/n7d0a4bb249d8 

「バターって、家で作れるの!?」 と思う方もいるかもしれませんが、実は家庭にあるもので気軽に手作りできるんです。今回は、食卓に楽しさとおいしさをお届けするクラフトバターのレシピを、ケーキデザイナーで芸術教育士の太田さちかさんに紹介してもらいました。

太田さちか
ケーキデザイナー、芸術教育士。フランスと日本で製菓を、京都芸術大学大学院で芸術を学ぶ。子どもとママのための製菓クラスやワークショップ「My little days」を主宰。子どもたちの興味や感性に寄り添う独自の世界観から提案している。ウェディングやパーティ用のお菓子制作、雑誌やテレビ、Webなどで幅広く活躍。著書に『メレンゲのお菓子 パプロバ」(立東舎)『不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ」(マイルスタッフ)『太田さちかのサイエンススイーツ 魔法のおやつをめしあがれ」(文化出版局)など。
X(旧Twitter): https://x.com/sachicafeparis?s=20 
Instagram: https://www.instagram.com/sachica_kidsartlifeproducer/ 

クラフトバターってどうやって作るの?

こんにちは、太田さちかです。ケーキデザイナー、芸術教育士として、スイーツやフードの魅力をお子さんから大人まで楽しめるレシピにして、各種メディアや本などで紹介しています。特に、食材の原理原則をサイエンスの視点でアプローチする「サイエンススイーツ」が人気です。

クラフトバターとは、地方の牧場などが少量生産する個性的なバターのこと。酪農家こだわりの生乳を、少量ずつ丁寧に練り上げてバターにしていきます。地域の食材を加えたフレーバーバターなど、それぞれ種類や風味が豊かなのが特徴です。

では、クラフトバターはどんな原理で作られるのでしょう。今回手作りするクラフトバターは、生クリームを容器に入れ、シャカシャカと振って作る「遠心分離」という方法が使われています。遠心分離とは、その名の通り遠心力を発生させ、固体と液体、または水と油のように混じり合わない比重の異なる液体と液体を分離させること。

生クリームに含まれる乳脂肪は、タンパク質などの薄い膜で覆われています。生クリームを振り続けると、その膜が破れて脂肪同士がつながり、水分と脂肪が遠心分離して固体のバターができるんです。

クラフトバターは生乳の乳脂肪が主成分でシンプルだからこそ、味のアレンジに作り手のこだわりや想いが凝縮されているのもポイント。手間ひまかけた分、ひと味違った味わいを楽しめます。だからこそ、おうちで作る醍醐味もあるのです。

ベースとなる、プレーンのクラフトバターのレシピ

まずはベースとなるクラフトバターを作りましょう。材料は、「生クリーム」と「岩塩」のたった2つ。生乳から作られた生クリームを振ってミックスすると遠心分離が起こります。出てきた脂肪を集め、練り上げて固めたら完成です。生クリームは、濃厚で固まりやすい乳脂肪45%以上のものを使いましょう。

シャカシャカと容器を振る遠心分離の工程は、子どもから大人まで楽しめるので、ぜひご家族やお友達などみんなで作ってみてください。

【材料】作りやすい分量(4~9人前)
生クリーム(乳脂肪47%)……200ml
S&B岩塩……ひとつまみ

【1】

シェイカーや空のペットボトル、空き瓶など背の高い容器に生クリームを入れ、蓋をして3分ほど上下に振り続けます。

【2】

初めは液体のシャバシャバした音が聞こえますが、振り続けると途中から音がなくなってきます。音がなくなったときの生クリームの状態はこんな感じ。脂肪分の黄色っぽさが出てきます。

【3】

さらに4〜5分ほど上下に振り続けると、固体と液体が完全に分かれたような感覚になります。このくらいになったら液体だけ取り除き、再び頑張って振り続けましょう。

【4】

以上の工程を3回ほど繰り返し、固体と液体を分けます。この固体がバターで、液体がホエー。ホエーは、ヨーグルトなどでよく見る上澄みの水分と同じで、乳清(にゅうせい)とも呼ばれています。タンパク質が多く含まれており、栄養があるので捨てずに取っておきましょう。記事の最後では、ホエーを活用したドリンクの作り方も簡単にご紹介します。

バターに岩塩をまぶし、お好みで味を整え、スプーンなどでよく練り混ぜて完成です!

食べ方いろいろ! クラフトバターの3種のアレンジレシピ

プレーンのクラフトバターができたら、お好みでフレーバーを合わせていきましょう! 今回はスパイスを組み合わせて3種類の味を作ります。

アレンジレシピに使用する、エスビー食品のスパイス、ボンヌママンのジャムはこちら。

<汎用性抜群!ブラックペッパー&ガーリック>

【材料】作りやすい分量(2~3人前)
S&Bブラックペッパー(あらびき)……小さじ1
S&Bガーリック(あらびき)……小さじ1

【1】

3等分したバターのうちの1かたまりを、コップやボウル、深めの小皿などに移し、ブラックペッパーとガーリックを小さじ1ずつスプーンやヘラを使って混ぜ合わせます。

【2】

ラップに取り出してくるみ、箸を使って片方に寄せ、筒状のキャンディ包みにしたら冷蔵庫で40分ほど冷やし固めます。

こちらのブラックペッパー&ガーリックはどんなものにも合いますが、やはりバゲットのフランスパンに乗せていただくのがおすすめ。バターを薄くスライスし、パンに乗せましょう。そのままならソフトな食感、トーストするとガーリックの香り高くカリッとした食感が楽しめます。

<料理にも使える!カレーパウダー&クミンシード>

【材料】作りやすい分量(2~3人前)
S&Bカレーパウダー……小さじ1
S&Bクミンシード……小さじ1

ブラックペッパー&ガーリックと同様にカレーパウダーとクミンシードを混ぜ合わせたら、ココットなどに盛り付けるだけでもOK。フレッシュな野菜スティックにつけて食べると、スパイシーなカレー風味が加わってやみつきになりますよ。

他に意外な使い方として、野菜炒めや魚料理などの調味料として活用することもできますよ。ひとさじバターを加えたら、カレーとクミンの香りが広がり、スパイスの爽やかな風味とバターの濃厚さが際立ちます。

<スイーツにも!シナモンシュガー&マーマレード>

【材料】作りやすい分量(2~3人前)
S&Bシナモンシュガー……小さじ1
ボンヌママン オレンジマーマレード30G……小さじ1

上の2種類と同じく、シナモンシュガーとマーマレードジャムを混ぜ合わせて作ります。ジューシーなマーマレードとシナモンの甘い香りがふわっと口の中に広がる、口当たりも優しくクリーミーなバターです。クラッカーやホットケーキなどに合わせて、おやつとしても楽しんでみてくださいね。

バター作りの副産物も有効活用!栄養満点ホエードリンクの作り方

クラフトバター作りの副産物である液体のホエーは、タンパク質が豊富で栄養価の高い食材です。できたホエーに1:1で同量の炭酸水を加え、ボンヌママンハチミツ大さじ1とS&Bきざみゆずをひと絞りして混ぜ合わせます。程よい甘味と酸味でスッキリとした「ゆずミルクホエードリンク」もとてもおいしいですよ。

家族やお友達みんなで作るクラフトバターなら、作る工程も楽しく食卓も笑顔あふれること間違いなし。ここで紹介した味以外にも、おうちで余っているスパイスなどを使いアレンジに挑戦し、ご家庭ならではの風味を探してみるのも面白そうですね。次のクラフト食材のブームとなるかもしれないクラフトバター、自分のこだわりを詰め込んで手作りしてみてはいかがでしょう?

文・写真:太田さちか

◎献立に迷ったら… →エスビー食品レシピサイト
◎スパイス&ハーブを中心とした各種情報をお届け! エスビー食品公式facebook
◎レシピ、商品・イベント・キャンペーン情報などをつぶやいています エスビー食品公式X(旧Twitter)

〈知ってる?スパイスとハーブのこと〉
お読みいただきありがとうございました。「スキ!」をしていただくと、スパイスやハーブの豆知識が表示されるようになりました。気に入っていただけたら、「スキ!」をお願いします▼