おかずにもおやつにも！オーブンにお任せ、かぼちゃのシナモンロースト #旬とスパイス
あるときはしびれるようにビリリと強烈で、あるときは果物のように甘くフレッシュで、またあるときは爽やかな軽さをもたせてくれる・・・。スパイスやハーブをほんのひと振りするだけで、一皿は魔法のようにがらりと変わります。
甘みと栄養素をたっぷり含んだ旬野菜と、それをさまざまな表情に変えてくれるスパイス&ハーブのかけ合わせをぜひ堪能してほしい。そんな想いからはじめた「 #旬とスパイス 」シリーズ。
このシリーズでは、クリエイターの方と「旬の新しいおいしさ」を発見していきます。レシピと文章は noteクリエイターであり料理家の今井真実さん。作る人の気持ちに寄り添うレシピ開発を行っている今井さんに、家庭で無理せず取り入れられるのに華やかなおいしさのお月見レシピを作っていただきました。
ほっくり、ほろほろとしたもの、焼き芋や、栗。 秋になるとどういうわけか、そんな食感のものを口が求めてしまいます。
少し甘くて口の中でほどけて…それを温かいお茶といただいたり、ホットワインを合わせると、もう幸せなひと時です。少し肌寒くなり風も寂しさをまといますが、秋の旬の食材を思うと楽しみが増します。
金色に輝く銀杏のように、かぼちゃの黄色は食卓を彩ってくれます。和食では煮物が定番のかぼちゃは、スパイスとの相性も良く、私も洋風のお料理に使うことが多いです。
昔、家の近くにあった古いお惣菜屋さんでは、なんとローストビーフのソースがかぼちゃで作られていて、甘塩っぱくてたまらないお味でした。 かぼちゃのローストはその時の思い出がヒントになったお料理です。少し時間はかかるけど、調味料をかけたらオーブンにお任せ。
合わせるスパイスはシナモン。シナモンは素材の甘さを引き立て、お塩と合わせると温かみのある複雑な風味をもたらしてくれます。
知っている香りなのに、かぼちゃなのに、なんだか新しい味！ と楽しい一品です。
最近スーパーでは、かぼちゃを1/4サイズにカットされているものが売られています。それをよく洗い、調味料をかけたらそのままオーブンへ。ね？簡単でしょう？
【材料】 （作りやすい分量）
かぼちゃ 1/4カット（380〜400g）
塩 小さじ1/4弱
砂糖 小さじ1/4
シナモン（パウダー） 小さじ1/8
オリーブオイル 小さじ2
バター 10g
1/4カットのかぼちゃを良く洗いわたと種を取り、皮目の方を下に耐熱皿にのせます。
塩を全体に振りかけます。あくまで、甘味を引き出すためのお塩で、後で調整も出来るので、気持ち控えめにしましょう。
お砂糖、シナモンはわたのところを中心に。オリーブオイルは断面も含め、全体にかけます。
オーブンで、予熱なし220℃で50分焼きます。
少し焦げ目がついたくらいが美味しいですが、気になる方はアルミホイルを途中でかぶせても大丈夫！ 香ばしく甘い香りがします。出来上がり。
そして、温かいうちに仕上げにバターを。溶けたところをすくって食べましょう。ねっとり、ほくほくに、ちゅるっとしたバターがたまりません。
シナモンとバターの相性は言うまでもありません。辛みはもちろんないのですが、どこか刺激的な香りが特別感を演出します。
かぼちゃの表面の水分をじっくり飛ばしローストしているので、食感にコントラストを感じ、濃厚な味を楽しめます。
そのままおかずとしても、お肉の付け合わせにも大活躍です。
トーストにペーストのように塗って食べたり、次の日はチーズをのせてグラタン風にしても。牛乳に溶かして、ポタージュにだって展開できます。作り置きとして準備するのではなく、色んなお料理に活用できるメニューです。
シナモンが、かぼちゃにしっくり馴染み、普段のメニューも香り豊かに仕上がります。
そして、余ったらアイスクリームと食べるのも最高！ 甘塩っぱいかぼちゃとアイスクリームの組み合わせはこの季節ならでは。ねっとりして、まるでかぼちゃプリンのような満足感があります。
バニラも合いますがラムレーズンも大人の味。秋の夜長にぴったりのデザートになります。
かぼちゃは固いので、包丁で切るのは少し大変。あらかじめカットされたものを、じっくり焼くだけで一品出来上がるのでありがたいです。
それにインパクトもあって、なんだか楽しいですよね。ビタミン豊富なかぼちゃ、ぜひ秋の献立にいかがかしら。
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