優しい甘さに笑顔がこぼれる。秋田名物「バター餅」
あっという間の年末年始から一変、家事に仕事に、忙しない日常が戻ってきました。いつもの生活リズムにやっと体が慣れてきた頃かと思いますが、年が明けてから一層寒さが厳しくなってきているので皆さん体調に気をつけてお過ごしくださいね。
そんな今の時期、毎年気になるのが余ったお餅の活用方法。食べきれずに保存していたお餅がふと目に入り、「今年はどうアレンジしようか」と頭を悩ます人も少なくないはずです。
「お雑煮や焼き餅、あんこ餅など、あらゆる食べ方はもう試した!」
「残ったお餅、どうしよう…?」
なんて声はまだまだ聞こえてきそう。
そこで今回は、数あるお餅のレシピの中でも、ひときわ魅惑的な響きをもつ「バター餅」に注目。お米料理研究家のしらいのりこさんに、バター餅の基本レシピと、スパイスとハーブを活用したアレンジレシピを教えてもらいました。
しらいのりこさんの他のレシピ記事はこちら。
☆作って損なし!材料揃えて5分で完結、「混ぜるだけ」で味がきまる『万能パセリペースト』とその活用例
☆蒸気とともにスパイスが香り立つ。風味豊かな炊き込みご飯
秋田の郷土菓子「バター餅」
バター餅は、お餅にバターや砂糖を練り込んだ北秋田市発祥のお菓子。今でも秋田全域で日常的におやつとして食べられるという、ポピュラーな郷土菓子です。お餅×バター×砂糖の組み合わせはどこか背徳感が漂いますが、想像するだけでもおいしそう! お土産品で見られるバター餅は、保存や味のインパクトのために甘みが強い商品も多いですが、手づくりなら砂糖の量を調節できるので、自分好みの味が作れますよ。
しらいさん:意外にも、バター餅はスパイスやハーブと相性が抜群なんです! あんこやきなこなどの定番に飽きてしまった方や「ジャンキーなものを食べたい……!」という人は、バター餅で禁断の扉が開くかもしれませんね(笑)。
基本の「バター餅」の作り方
しらいさん:お餅2個を使った、1〜2人前の食べ切りサイズのレシピです。多めに作りたい場合、材料や加熱時間をそれぞれ倍にして作ってみてください。
市販のバター餅は甘みが強いものが多いので、今回は砂糖とバターの量を抑えたあっさり目のレシピを考えてみました。砂糖を大さじ1にするとほどよい甘さで、後にスパイスを加えたり、他の具材を入れたりなどアレンジのききやすい優しい味わいになります。アレンジせずにバター餅のまま食べる場合や、もう少し甘さが欲しい方は、砂糖を大さじ2に増やしてみましょう。
卵黄はバターにコクをプラスしてくれる存在なので、卵黄をそのまま1個分入れても構わないです。アレルギーなどで卵を食べられない方は、卵黄なしでもおいしく作れるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
【1】
少量のバターを薄く塗った耐熱ボウルに餅を入れ、水大さじ2(分量外)をかけたら、ふんわりラップをして600Wの電子レンジでまず1分30秒加熱します。一旦取り出し、上下をゴムべらなどで返して、再度ラップをふんわりかけて、さらに30秒加熱してください。
しらいさん:電子レンジを使うと、市販の切り餅がまるでつきたてのお餅のような食感になるのでおすすめです。ひっくり返して両面温めることで、ムラなく柔らかいお餅になりますよ。あらかじめボウルにバターを塗っておくと、お餅が張り付かず洗い物もラクチンに! 材料内のバターを少量とって、まんべんなく塗っておきましょう。
【2】
餅の水気を軽く切り、砂糖・塩・卵黄を加えて、手早く混ぜます。ひと塊になったらバターを加え、練りこむように混ぜ合わせます。
しらいさん:バターはあらかじめ常温に戻しておくと、短時間で混ぜ合わせることができます。バターがなかなか溶けずになじまないときは、追加で15秒ほど電子レンジで温めてみてください。
バターがなじんだら片栗粉を加えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
しらいさん:あとで成形するので、生地が緩くまとまりがない場合は、少しずつ片栗粉を足してみてください。形を整えられるくらいの固さが目安です。
【3】
ラップに片栗粉で打ち粉をして生地をのせ、長方形に整えます。さらに生地の上からも片栗粉を適量振り、ラップで包んで、冷めるまで30分ほどおきます。食べやすい大きさにカットしたら完成です。切る時は包丁に少量の油を塗ると、くっつかず切りやすくなります。
しらいさん:形はまん丸でも正方形でも、好きな形でOK! 短時間で冷ましたい人は冷蔵庫に入れましょう。つきたてのお餅のようなしっとり柔らかい食感が好きな人は、冷まさずそのままできたてをいただいてもおいしいですよ。
ほんのりとした甘みに、さりげなくバターの風味がきいていて、あまりのおいしさと食べやすさに取材陣も大興奮! 食べる手が止まらず、気づいたらお皿が空になっていました。食べてみてもう少し甘さがほしいと感じた人は、砂糖やはちみつ、メイプルシロップなどをかけるのもおすすめとのこと。
ざくざく食感が楽しい
「シナモンナッツバター餅」
続いてアレンジレシピとして、スパイスをきかせた「シナモンナッツバター餅」、ハーブの香りが食欲をそそる「ハーブチーズバター餅」を紹介してもらいました。
【1】
上記、基本のバター餅の【2】の工程まで進めます。
【2】
細かく砕いたミックスナッツとシナモンパウダー、はちみつを加えてなじませます。
【3】
基本のバター餅のレシピと同じく、ラップに片栗粉で打ち粉をしてから生地をのせ、好きな形に成形します。上から片栗粉を適量振ってラップで包み、30分ほど冷ましたら、食べやすい大きさにカットして完成です。
しらいさん:はちみつのコクと甘さがプラスされて、よりスイーツ感がアップしたバター餅になります。ミックスナッツの量を増やして、くるみ餅のように食感を楽しむのもおすすめですよ。ナッツを細かく砕かず、そのまま入れるとさらにザクザクっとした歯応えに!
爽やかなハーブと濃厚なバターが相性抜群
「ハーブチーズバター餅」
【1】
上記、基本のバター餅の【2】の工程まで進めます。
【2】
イタリアンパセリとディルを粗みじん切りにします。
【3】
【1】の生地を丸く伸ばし、中央にピザ用チーズ、刻んだイタリアンパセリとディルをのせます。具材を包みこみながら、平たい丸型にまとめます。
【4】
フライパンにオリーブオイル小さじ1(分量外)を入れます。弱めの中火で、両面を3~4分加熱し、焼き色がついたら完成です。
しらいさん:爽やかなハーブの風味は濃厚なバター餅と相性抜群! ハーブがお好きな方は量を増やしてみてください。ハムやベーコンを追加すると、より食べ応えも増しますよ。ピザ用チーズがなければ、とろけるチーズでも代用できます。お餅が焦げやすいので、焼きすぎには注意してくださいね。
バター餅はアレンジの可能性が無限大!
バターと砂糖を使ったシンプルなバター餅は、アレンジ方法がたくさん。他にはナツメッグやオールスパイス、タイム、オレガノなども合います。
「干し柿やレーズンなどのドライフルーツもおすすめ。ぜひ試してみて!」としらいさん。
可能性無限大のバター餅なら、お餅を最後までおいしく食べられます。お餅を食べ切るはずが、やみつきになってさらに追加で買ってきてしまうかも……!? まだまだ寒い日が続きますが、バター餅でエネルギーを蓄えて楽しく冬を過ごしましょう。
レシピ・監修:しらいのりこ/文:大瀧亜友美/撮影: 大崎あゆみ
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