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旬のスペシャル!失敗知らずの「牡蠣とターメリックのパエリア」が冬を盛り上げます。 #旬とスパイス

あるときはしびれるようにビリリと強烈で、あるときは果物のように甘くフレッシュで、またあるときは爽やかな軽さをもたせてくれる・・・。スパイスやハーブをほんのひと振りするだけで、一皿は魔法のようにがらりと変わります。

甘みと栄養素をたっぷり含んだ旬野菜と、それをさまざまな表情に変えてくれるスパイス&ハーブのかけ合わせをぜひ堪能してほしい。そんな想いからはじめた#旬とスパイス 」シリーズ

このシリーズでは、クリエイターの方と「旬の新しいおいしさ」を発見していきます。レシピと文章はnoteクリエイターであり料理家の今井真実さん。作る人の気持ちに寄り添うレシピ開発を行っている今井さんに、家庭で無理せず取り入れられるのに華やかなおいしさのレシピを作っていただきました。

今回はとっておきの「パエリア」のレシピです。皆さん「パエリア」はお好きですか? 私は大好き!

お米の芯はかすかに感じるくらい。おこげもカチカチではなくあくまで香ばしさのため。具材はうーんとゴージャスに。華やかさがないとつまらない。大好きがゆえに出来上がりも、こだわりたくなってしまいます。

パエリアパンがあったら本当は嬉しいけれど、フライパンでも出来て、忙しい年末でも軽やかな気持ちで、とっても美味しくて、味見したら小躍りしちゃうような…

そんな願いを込めて出来たのが「牡蠣とターメリックのパエリア」です。

牡蠣は、冬になると2日に1度は食べているほど、私にとっては欠かせない食材。栄養が豊富で、貝の旨味たっぷりのエキスも、具材としての存在感もたまらなく好きです。砂抜きをしなくても良い気軽さもありがたいです。

そして更に今回は旬の柑橘類、柚子を使います。パエリアを食べる時によくレモンが添えられているでしょう? これを柚子に変えるだけで一風変わった、それでいてとても香りの効いたアクセントになるのです。

ターメリックは土のような香り、ほの苦い味わいとよく言われますが、牡蠣と生ハムを最後に合わせることで複雑な美味しさを演出してくれます。何よりターメリックライスの鮮やかな黄色は食欲をそそり、炊き上がったお米の美しさに心が躍ります。

しかしパエリアは作るのが苦手な方も多いメニュー。今回、なるべく失敗しないように、と、調理時間も細かく指定しています。

よく読めば意外と簡単。ぜひタイマーを片手に作ってください。慣れてくると実は「あれ?気軽かも?」と思います。

何より具材の染み込んだお米の美味しさと言ったら…そして、食べた時に驚く牡蠣のぷりぷりさ! これも実は、技ありなんです。

さあさっそく一緒に作りましょう。

【材料】 (3人〜4人分)

牡蠣(加熱用) 200g
玉ねぎ 40g(約1/ 6個)
にんにく 1かけ

オリーブオイル 大さじ1
米 1合(洗わずそのままです)
塩 2g(小さじ1/2弱)
水 600ml 
ターメリックパウダー 小さじ1/4

生ハム 4枚(約40g程度)
柚子 (果汁)1/2個分、飾り1/2個

※フライパンは24cmを使用

玉ねぎを粗みじん切り、にんにくをみじん切りにして、オリーブオイル大さじ1を引いたフライパンで弱火で炒めていきます。(しばらく放っておいて大丈夫です)

この間に牡蠣を洗います。ボウルにざっと開けて、お塩(分量外)とお水を入れて優しく揉むように洗い、ひだのところを指でこするように汚れをとります。

何度か水を変えて、あらかた透明になれば大丈夫です。

ザルに開けて牡蠣の水気を拭いておきます。

フライパンの玉ねぎとにんにくを端に寄せ、牡蠣を並べます。両面裏返しながら焼きましょう。焦げ目がついて、乾いたようになり、ぷっくりとしたら火が通っている合図。

牡蠣を掃除したボウルを洗い、水気を拭いておきます。

焼き上がった牡蠣と、ニンニクと玉ねぎをフライパンからボウルに移します。

火は消したまま、フライパンにお米を入れ平らにして、お塩を2g振ります。

ボウルに出ている牡蠣エキスをフライパンに入れます。ザルにわざわざ開けなくても、ヘラで押さえながら程度で大丈夫です。

ターメリック小さじ1/4を600mlのお水に溶かし、お米に注ぎます。

中火に火を付け、ここまでボコボコと沸騰したら、蓋をせず5分間お米を煮ます。

次に14分タイマーをかけ、弱火に切り替えて煮ます。縁の方に、火の偏りがあればあればフライパンの場所を少しずらしたり調整しましょう。

下の写真は14分後。完全に水気が飛んでいるように見えたらOKです。

水気が飛んでいない場合は1〜2分足してください。

パエリア作りで、意外と大切なのがフライパンの大きさです。今回私は24cmのフライパンを使用しています。これより大きければ、汁気がなくなるのが早く、小さければ汁気がなくなるのが遅いです。大体同じくらいの大きさのフライパンで作ってみてください。

ご自身でも、パエリアを作るとき同じフライパンを使い続けると、時間の感覚が掴めると思いますよ。

火を止めて牡蠣と玉ねぎを並べ、ボウルに残ったエキスもかけます。

火は点火せず、蓋をして10分蒸らします。

蒸らしの10分が経ったら、このまま蓋をしておき5分中火で熱します。ここで香ばしさを出すのと最終的にお米の硬さを調整し、水分を飛ばします。

縁がこんな風に浮いていれば良い感じです!
お米を食べてみて硬かったら、蓋をしたまま10分ほど放っておきましょう。

好みのお米の硬さになったら、ちぎった生ハムを並べ、柚子果汁を絞り、もう残りの半分の柚子を飾れば出来上がり。

オリーブオイル(分量外)をひと回しかけたら、本格的なパエリアです。

一口食べると、牡蠣のぷりんとした噛み心地。縮むことなく、エキスを蓄え華やかに口の中で弾けます。

急いで生ハムを口に入れます。ああ、この牡蠣と生ハムだけでマリアージュ。

生ハムは余熱でトロンとした食感に。お米自体の塩味は控えめ、生ハムは具材兼アクセントとなる調味料なので、たっぷり載せても大丈夫!

ちょっと驚くのは柚子の香りとターメリックの香りの相性! すっと馴染みます。濃厚な牡蠣と合わさっても重くなく、爽やかな印象の後味になるのが嬉しいところ。すいすいとスプーンが止まらないお味です。

通常のパエリアよりシンプルな具材なのに、この豪華な見た目と味わいに興奮します。

では、復習。パエリアの失敗しないコツです。

  1. お米は洗いません。

  2. 具材は先にきっちり火を通し、フライパンから引き上げます。

  3. フライパンは24cm〜26cm推奨

  4. お米を炊く時、蓋はせず、火加減を変えながら、水気が無くなるまで煮る感覚で!

  5. 蒸らした後、更に中火で蓋をして熱します。これでまだお米が硬いなら、しばらく放っておきましょう。

うーん、それでもパエリア難しそう…そんなあなたにはこちらのシーズニングがおすすめ。

なんと炊飯器で簡単にパエリアが作れるんだそう。これは嬉しいですね!

パエリアの鮮やかな色を生かして、おもてなしだけでなく行楽弁当などにもぴったりですね。冷蔵庫にある具材で、気軽にパエリアが作れます。要は、パエリアは炊き込みご飯。気負わずに作ってみて欲しいお料理です。

クリスマスや年末年始のごちそうに、ぜひパエリアはいかが? 特別な時間を、おいしいお料理で楽しんでくださいね。


今回のレシピと文章:今井真実(料理家)、撮影:今井裕治

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